表1:マレーシアのインフレ指標と政策金利
12月もCPIのヘッドラインは沈静化を続けた
12月のCPIの結果を見る限り、インフレの沈静化は依然として続いているようだ。12月のCPIは前年比3.0%上昇と前月の同3.3%上昇よりも更に鈍化した。市場予想を下回っており、予測の範囲内の結果であった。全体の3分の1近いウェイトを占めている食料品価格は前年比5.1%上昇と前月から横ばいであった。その他の構成項目の多く(輸送、居住含む)は鈍化しており、これが前月よりヘッドラインが鈍化した背景といえるだろう。
年間で見ると、2011年のCPI上昇率は3.2%となっており、こちらも予測の範囲内である。今年に焦点を合わせれば、世界的な景気減速に伴い商品市況が落ち着く可能性が高いことや、前年からのベース効果により、2012年も引き続きインフレは沈静化が続き、年間で2.7%辺りに落ち着くのではないだろうか。
インフレ圧力は経済成長に影響され、また、それにより金融政策の動向も変化してくるわけだが、近いうちにマレーシア中央銀行(BNM)が金融政策の方針を変更するとは考えにくい。マレーシア中央銀行(BNM)は少なくとも年前半は翌日物政策金利(OPR)を3.0%から変更しないと考えている。
図1:マレーシアのCPIヘッドラインと各項目の推移
インフレ圧力の緩和は2012年も続くだろう