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中国:「滬港通」始まる、需給改善に期待

2014/11/20 モーニングスター株式会社

上海と香港証券取引所の間で相互の上場株式の売買注文を取り次げる「滬港通」(上海・香港・ストック・コネクト)が2014/11/17に開始された。香港証券取引所(00388)が発表した同日の取引状況によると、「滬港通」のうち、香港証券取引所経由で上海の上場株式を売買する「滬股通」(ノースバウンド・トレーディング・リンク)の利用額は、毎日の限度額の約93%にあたる120億800万元だった。当初は限度額の130億元に達したと伝えられていたが、一部の買い注文が約定しなかったという。一方、上海証券取引所経由で香港の上場株式を売買する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング・リンク)の利用額は17億6800万元にとどまった。毎日の限度額の83%にあたる87億3200万元が残った。

※香港証券取引所:「滬港通」利用、開始初日は限度額に満たず(11/18付サーチナ記事より引用) (写真提供:CNSPHOTO)

「滬港通」についてはリポートで何度か説明しているが、制度の概要が分からないといった質問を投資家からいただくので、制度の概要を簡単に説明する。「滬港通」は、香港の投資家が上海市場、中国本土の投資家が香港市場に投資することが可能となる制度だ。当局の承認を経て「滬港通」は11/17から開始。対象銘柄は、「滬股通」では上海180指数や上海380指数の構成銘柄などA株の代表的な大型株や、新興株、A株と香港H株に重複上場する全ての銘柄(計568銘柄)。一方、「港股通」では、ハンセン総合大型株指数とハンセン総合中型株指数の構成銘柄や、A株とH株に重複上場する銘柄が対象となる(計266銘柄)。

導入の初期段階では、総限度額と毎日の限度額が設けられ、「滬股通」はそれぞれ3000億元、130億元、「港股通」は2500億元、105億元。 引用した記事の通り、「滬股通」の初日の利用額は、限度額の約93%にあたる120億800万元だった。「港股通」の利用額は17億6800万元にとどまり、限度額の約17%程度にとどまった。市場では当初、本土投資家が香港へ投資する額(港股通の額)が、香港投資家が本土へ投資する額(滬股通の額)よりも大きいと予想されていた。初日は予想と全く逆の結果となったのである。

どのような銘柄が物色されたか見てみると、「港股通」の売買代金上位銘柄は上から順に、騰訊控股(00700)、中芯国際(00981)、鳳凰衛視(02008)、中国移動(00941)、友邦保険(01299)。「滬股通」では、大秦鉄路(601006)、貴州茅台(600519)、上汽集団(600104)、平安保険(601318)、伊利股フェン(600887)だった。本土投資家や香港の投資家は、相互に上場していない銘柄を活発に物色したようである。今後もこの傾向は続くと考えられる。

「滬港通」初日の相場は両市場とも下落した。香港市場では、ハンセン指数は前営業日比1.2%安の23797ポイントで取引を終えた。H株指数は約2%安の10554ポイントだった。本土市場では、上海総合指数は3営業日続落、終値は前営業日比0.19%安の2474.01ポイントだった。「滬港通」の計画が示された4月頃から、相場は「滬港通」の開始を織り込み始めており、開始は材料出尽くしにつながったものと考えられる。

相場の盛り上がりを期待していた投資家にとっては、初日は期待外れの結果になったかもしれない。ただ、「滬港通」の始動により、長期的には両市場間の資金の流れが拡大することを通じて、取引が活性化していくことが否定されたわけではない。現在の香港市場のバリュエーションは歴史的にみて低水準であり、需給が改善すれば見直しの動きが出てくる可能性はある。投資家にとっては、「滬港通」の価格裁定の動きに注目するだけではなく、ファンダメンタルズが良好で、きちんと配当を続けている銘柄を丁寧に探していくことが重要になるだろう。今回は、バリュエーションが低く、配当利回りが相対的に高い本土銀行銘柄を取り上げた。中国建設銀行(00939)、中国工商銀行(01398) 、中国銀行(03988) 、交通銀行(03328)、中国農業銀行(01288)。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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