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中国:景気安定化で、改革の環境整う

2013/12/04   SBIサーチナ株式会社

国家統計局と中国物流購買連合会の共同発表によると、中国本土の2013年11月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.4だった。前月比で横ばい。6月から続いた指数の上昇はストップしたものの、14カ月連続で好不況の分かれ目となる50を上回った。今年の経済成長率目標である7.5%成長が達成できる見方が強まっている中で、当局が景気テコ入れの力を弱め始めているが、足元の景気が安定的な状況にあることを示唆する内容だった。

指数を構成する各項目のうち、特に生産指数の上昇が目立った。生産指数は前月比0.1ポイントの上昇で54.5と、19カ月ぶりの高水準を記録。就業人員指数も0.4ポイントの上昇で49.6と2カ月連続で改善した。また、新規輸出受注指数や輸入指数は0.5もそろって改善した。一方で、国内の需要の先行きを示す新規受注指数は0.2ポイントの低下で52.3と、2カ月連続で低下した。原材料在庫指数も0.8ポイント低下し47.8となった。

企業規模別では、大規模企業は52.4と、前月に比べ0.1ポイント上昇。中規模企業は横ばいで50.2、小企業は0.2ポイントの低下で48.3だった。大規模企業と小企業の2極化について度々取り上げてきたが、今回も大企業の好調と、小企業の景況感の悪化が鮮明化する結果となった。全体的には、大企業を中心に景気は比較的安定しているものの、新規受注や原材料在庫指数、小企業の低下をみると、景気回復の足取りは力強さを欠いている可能性が指摘できる。

経済成長率目標の達成が視野に入っているなか、三中全会閉幕後、当局は資金供給を絞り込んでいる。一方で、流動性がタイトになり、上海銀行間出し手金利(Shibor)が急上昇するような局面では、資金供給オペを実施しており、一定の配慮も確認できた。人民銀行の周小川総裁は11月26日、金融フォーラムに出席した際、中国政府が積極的な財政政策と穏健な金融政策を続けるとの見通しを示した。また、市場機能の発揮により、経済成長率の安定を保つ方針を明らかにした。一方、過度に緩和的な財政・金融政策が経済成長や雇用の維持にはつながらないと強調した。一連の政策の意図は、周小川総裁のこの発言に含まれていると考えられる。

PMIの数値が示すように景気が安定していること、新規輸出受注指数が上昇し、外需が改善傾向にあることなどから、中国にとっては、改革を進める上でよい環境が整いつつある。周小川総裁が発言する通り、中国は市場機能にある程度委ねた経済政策を実施していくと考えられる。三中全会閉幕後、今後も「改革の全面的深化における若干の重大問題に関する決定」(以下、決定)で示された方針に沿った政策が期待できる状況となっている。こうした個別政策が相次いで打ち出されれば、相場が一段高する可能性もある。

三中全会の決定では、環境産業の発展が明記された。中国証券報によると、財政部財政科学研究所の蘇明副所長は11月29日、環境税方案はすでに国務院に報告されており、手順に沿って審査が行われていると報じた。環境税が導入されれば、汚染物質を排出する側からすれば、コスト増要因となるが、環境産業の市場拡大につながる。すでに、国務院が8月に発表した「大気汚染防治行動計画」でも、環境コストの価格転嫁に関する方針が盛り込まれており、環境産業の発展は、中長期的な中国投資の主要テーマになると考えられる。

香港市場上場の環境関連銘柄としては、原子力関連では、設備の建設を手掛ける東方電気(01072)、上海電気(02727)、哈爾浜電気(01133)、天然ガス関連ではガスの供給を行う昆侖能源(00135)、中国燃気(00384)、北京控股(00392)、華潤燃気(01193)、新奥能源(02688)、風力発電関連としては風力発電所を運営する龍源電力(00916)、中国電力新能源(00735)、大唐新能源(01798)、太陽光関連としては、建物一体型太陽光設備の建設を手掛ける興業太陽能(00750)などが挙げられる。

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