4Q(10-12月)決算速報(現地2/25引け後発表)
量子コンピュータ開発会社。メリーランド大とデューク大のコア技術をベースに、イオントラップ型量子コンピュータ(量子情報の格納にイオントラップを利用する方式)を開発する。イオントラップ方式は超伝導方式、光量子方式とともに量子ゲート方式(もう1つの分類は量子アニーリング方式)の一つで、量子コンピュータの基本演算を最も高い精度で行うことができる計算方式であり、将来的に汎用的なコンピュータに発展する可能性が高いとされます。
2030年までに200万量子ビットの世界最高性能の量子コンピュータを開発し、創薬、材料科学、金融、物流、サイバーセキュリティ、防衛分野等におけるイノベーション加速を目標としている。
決算算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):36.06ドル(+7.35%)
売上高:6,190万ドル、前年同期は1,170万ドル(予想4,040万ドル)○市場予想を大きく上回った
調整後EPS:-0.20ドル、前年同期は-0.93ドル(予想-0.23ドル)○市場予想より良かった
調整後EBITDA:-6,740万ドル、前年同期は-3,280万ドル(予想-9,050万ドル)○市場予想より良かった
1Q会社見通し
売上高見通し(内部/外部成長問わず):4,800~5,100万ドル(予想3,710万ドル)○市場予想を上回った
売上高は市場予想を大きく上回りました。昨秋より大幅調整していた株価は、引け後の取引で約7%上昇しました
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
◆財務動向
現金/現金同等物合計額:10.3億ドル、前年同期は0.54億ドル(予想:10.9億ドル)
短期投資は13.6億ドル、前年同期は2.86億ドル
長期投資は9.45億ドル、前年同期は0.24億ドル
◆ハイライト
QuantumBasel※1との契約を4年間、6,000万ドル以上に拡大。IonQのシステム使用は4世代に及ぶ
DARPA※2の量子ベンチマーク・イニシアチブ・フェーズBに選定された
※1 スイス・バーゼルを拠点とする、量子コンピューティング・ハブ。企業や研究機関の、実用的量子コンピューティングを研究
※2 DARPA:米国防高等研究計画局。米国の安全保障に関わる革新的な技術を開発・投資する国防総省直轄の機関
経営陣の主なコメント
2025年は当社にとって、戦略的にも財務的にも大きな成功を収めた変革の年
戦略的には、量子コンピューティングにおけるリーダーシップから、世界をリードする量子プラットフォームソリューションおよび商業向けサプライヤーへと事業を拡大する
SkyWaterの買収を発表。事業の戦略的統合を見込む。同社は「世界をリードする量子ファウンドリー」。初の上場量子企業同士、量子業界最大のM&A
同社独自の専門知識を活用し、IonQの量子プラットフォームのロードマップ全体を加速させると見込む
量子ネットワーク分野では、米空軍の研究所と協業し「量子ビットから光子」へ、周波数変換を実現した
主要国の量子ネットワーク構築契約を多数獲得。スイス(市街ネットワーク)、スロバキア(国家量子通信網)、ルーマニア(欧州最大級QKDネットワーク)などだ
決算を受けたマーケットの反応
量子コンピューティング分野をリードする同社。1月26日にSkyWaterの買収計画を発表し、量子技術の開発のみならず商業領域への本格的な拡大にも踏み込みました。一方で、同社は依然として研究開発主導の企業であり、事業は赤字ステージにあります。Q2には10億ドルを調達し、現在の現金同等物は10億ドルを超えていますが、積極的な事業拡大には相応のリスクが伴うことも事実です。
また昨年、同社は前トランプ政権下で宇宙軍創設に関わった元米軍将軍レイモンド氏を取締役に迎えました。Q4も米軍出身人材の積極的なリクルーティングを行い、米政府との関係強化を進めています。政府や防衛関連案件の獲得は、信用力の向上や安定した売上につながるものの、事業が安定軌道に乗るかどうかは不透明な部分もあります。投資家は慎重な見極めが必要となりそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:71.18ドル
同、アナリスト・レーティング:5段階評価の4.50
最低投資金額:5,200円(2/25終値、1ドル153.70円換算)