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4Q(10-12月)決算速報(現地2/2引け後発表)
2003年に創業したビッグデータ分析などのソフトウェアを提供する企業です。同社は4つのプラットフォームを事業の柱とします。主に政府や米国防総省など公的機関向けの「Gotham(ゴッサム)」、民間向けに組織のデータを一元的に扱うオペレーティングシステムを提供する「Foundry(ファウンドリー)」、AIを活用しゴッサムやファウンドリーを統合する「AIP(Palantir Artificial Intelligence Platform)」、そして開発・セキュリティ・運用などを手掛ける「Apollo(アポロ)」です。
パランティアはAIを活用したソフトウェア等により、政府・西側諸国の国防当局および民間企業に意思決定・業務効率化を支援するサービスを提供しています。AIを駆使し、現実の課題解決に貢献。実効性と成果をもたらすイノベーターとして際立つ存在です。
決算発後の時間外取引(日本時間10:00時点):158.05ドル(+6.97%)
売上高:14.1億ドル、前年同期比+70%(予想13.3億ドル)〇市場予想を上回った
調整後EPS:0.25ドル、前年同期は0.14ドル(予想0.23ドル)〇市場予想を上回った
調整後フリー・キャッシュフロー:7.91億ドル、前年同期比+73%(予想6.07億ドル)〇市場予想を大きく上回った
1Q会社見通し
売上高見通し:15.3~15.4億ドル、(予想13.4億ドル)〇市場予想を大きく上回った
調整後営業利益見通し:8.70~8.74億ドル(予想6.54億ドル)〇市場予想を大きく上回った
通期会社見通し
売上高見通し:71.8~72.0億ドル(予想62.7億ドル)〇市場予想を大きく上回った
調整後営業利益見通し:41.3~41.4億ドル(予想30.8億ドル)〇市場予想を大きく上回った
調整後フリーキャッシュフロー見通し:39.3~41.3億ドル(予想28.5億ドル)〇市場予想を大きく上回った
3Q決算に続き4Q実績値および会社見通しの売上高、利益で市場予想を上回るほぼ満点の決算でした
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
政府向け売上高:7.30億ドル、前年同期比+60%(予想6.96億ドル)〇市場予想を上回った
民間向け売上高:6.77億ドル、前年同期比+82%(予想6.49億ドル)〇市場予想を上回った
顧客数:954社、前年同期比+34%(予想976社)×市場予想を下回った
米国民間向け好調。同売上高は前年同期比+137%、前四半期比で+28%の5.07億ドル
100万ドル以上の契約を180件(204)、500万ドル以上を84件(91)、1,000万ドル以上を61件(53)それぞれ成約(カッコ内は前四半期)
米国民間向けRDV(未計上契約残高)は前年同期比+145%、前四半期比で+21%の43.8億ドル
4Qの*40%ルールは127%に達した(3Qは114%)
米国海軍と協業。パランティアのファウンドリーとAIPを活用し海軍力強化に貢献。潜水艦の建造・維持管理計画を160時間から10分に短縮
アクセンチュアと企業向けセールスで協業。パランティアのエンジニア部隊とアクセンチュアの専門スタッフが協力。医療、電気通信、製造、消費財、金融サービスの各業界にわたるAIPの導入をサポート
40%ルール:増収率+調整後営業利益率。ソフトウェア企業やベンチャー企業へ投資する際の指標の一つ。40%が優良企業の目安となる
経営陣の主なコメント
(テイラーCRO,CLO[売上・法務責任者]) 顧客は「AIを試す段階」ではなく、パランティアを基盤に大規模導入へ移行しつつある。今後は「AIを活用できる企業」と「できない企業」に明確に分かれよう
パランティアはコモディティ化した基礎AIを最大限レバレッジできる唯一の企業と理解
- (カープCEO)パランティアは単なるサービス企業でもソフトウェア企業でもない。実装 × オーケストレーション(複数システムの連携・管理) × オントロジー (異なるシステム間でデータの意味統一)× AI の統合的価値を提供する、唯一の存在だ
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AI導入に必要となる「スタック(障害)」を狙い最適解を構築、価値創造の中心領域で圧倒的な成果を生み出している
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市場はこの事実を長年理解できなかった。しかし、現在その実力が数字で明確に示されている
- LLM(大規模言語モデル)などのAIプラットフォームがコモディティ化しつつある中、当社はリソースをオントロジー・FDA(FoundryのAI層)・実装力に集中する
- パランティアは少人数でも売上・利益に大きなレバレッジを生む構造を確立、他社の追随は難しいだろう
(AI導入に関する地域格差)欧州では導入が進まず、中国と米国がAI導入をリードしている。米国は、AI未導入企業がキャッチアップを迫られている状況でパランティアの優位性は加速している
コモディティ化する分野には投資しない。引き続き「防衛」「諜報」「商業」分野の顧客と直接関係を持つ純粋なモデルを貫く
パランティアは創業以来、西側諸国の体制維持という、非常に強固な価値観を貫いてきた。米国内では法と倫理(憲法修正第4条)の原則を守る設計思想を製品に組込み、に適用している
決算を受けたマーケットの反応
業績好調が続く同社は、4Q決算でも申し分ない結果を示しました。米国事業は引き続き強く、民間向け売上は前年同期比 +137%、前四半期比 +28% の5.07億ドルに達しました。テイラーCRO/CLO[売上・法務責任者]は、企業が「AIを試す段階」から パランティアを基盤とした大規模導入フェーズへ移行しつつある と指摘、今後は 「AIを使いこなせる企業」と「そうでない企業」 の二極化が進むと強調しています。米政府向け事業では米海軍と契約し、まずは潜水艦建造やサプライチェーン効率化に貢献。今後は空母など大型艦艇への適用拡大も期待されます。
一方、同社の株価は昨年11月の207ドルをピークに大きく調整しました。トランプ政権の同盟国軽視の姿勢や欧州における逆風、割高感などが重しとなっていました。ただここにきて業績拡大とともに予想PER は低下し、ピーク時の300倍超から約147倍へと落ち着いてきています。
アクセンチュアなどのコンサル企業との提携を通じ、少数精鋭の体制で販路の開拓を進める同社。業績モメンタムと収益機会の拡大を踏まえると、株価は再び上昇トレンドに回帰するかもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:193.40ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の3.61
最低投資金額:約23,000円(2/2終値、1ドル155.50円換算)