3Q(7-9月)決算速報(現地11/5引け後発表)
量子コンピュータ開発会社。メリーランド大とデューク大のコア技術をベースに、イオントラップ型量子コンピュータ(量子情報の格納にイオントラップを利用する方式)を開発する。イオントラップ方式は超伝導方式、光量子方式とともに量子ゲート方式(もう1つの分類は量子アニーリング方式)の一つで、量子コンピュータの基本演算を最も高い精度で行うことができる計算方式であり、将来的に汎用的なコンピュータに発展する可能性が高いとされる。
2030年までに200万量子ビットの世界最高性能の量子コンピュータを開発し、創薬、材料科学、金融、物流、サイバーセキュリティ、防衛分野等におけるイノベーション加速を目標としている。
決算算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):58.04ドル(+4.75%)
売上高:3,987万ドル、前年同期比+222%(予想2,699万ドル)○市場予想を大きく上回った
調整後EPS:-3.58ドル、前年同期は-0.24ドル(予想-0.31ドル)×市場予想を大幅に下回った
調整後EBITDA:-4,891万ドル、前年同期は-2,370万ドル(予想-5,830万ドル)○市場予想を上回った
通期会社見通し
売上高見通し(内部/外部成長問わず):1.06~1.10億ドル、従来予想の0.82~1億ドルを上方修正(予想9,123万ドル)○市場予想を上回った
調整後EBITDA見通し(内部/外部成長問わず):-2.06~-2.16億ドル(予想-1.99億ドル)×市場予想より不調だった
売上高は市場予想を大きく上回り過去最高となりました。また、通期の売上見通しを上方修正しました
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
◆財務動向
現金/現金同等物合計額※:約3.46億ドル、前年同期は0.34億ドル
短期投資は7.36億ドル、前年同期は2.86億ドル
長期投資は4.03億ドル、前年同期は0.24億ドル
※プロ・フォーマベース(会計基準外の参考値:9月末時点)
◆ハイライト
オックスフォード・アイオニクス[注]とベクター・アトミックの買収を完了、量子コンピューティング・プラットフォームを強化する
計算速度に関して2量子ビットゲートでは忠実度99.99%の世界記録を達成
宇宙分野における量子技術の発展・活用に向け米国エネルギー省と覚書を締結
[注]オックスフォード・アイオニクス:2019年に英国で設立された量子技術企業。世界記録保持者のクリス・バランス博士とトム・ハーティ博士が共同創業。同社は、量子性能の主要3指標(シングルおよび2量子ビットのゲート忠実度、量子状態の準備と測定〈SPAM〉)において世界記録を保持している。
経営陣の主なコメント
3Q売上高は前年同期比で222%増で過去最高を更新、会社計画の上限を37%上回る着地となった
ジェネラル(将軍)ジェイ・レイモンドが当社の取締役に就任した。レイモンド氏はトランプ大統領の一期目の任期中に大統領指揮下で宇宙軍創設に携わった
米国エネルギー省との取組みやゴールデンドーム(米国防戦略)など、大規模な契約機会を追求していく
海外売上比率が30%に拡大。今後は豪州、イタリア、北欧、韓国、インド、日本などに展開予定
9月12日のアナリスト・デーで発表した最新システム「Tempo」は、公開ベンチマークで市場をリードする商用超伝導システムの36京倍に相当。2026年の出荷を予定、現在商用化されている「Forte」の約2.6億倍の計算空間を備えている
決算を受けたマーケットの反応
IBMやアルファベットなどの大手企業が量子コンピュータ開発に注力する中、競争は激化しています。そんな中、量子分野に特化した同社が存在感を示しています。開発先行型企業にとって赤字ステージでの資金繰りは課題ですが、同社は2Qに10億ドルを調達、資金面の不安は当面なさそうです。
同社は前トランプ政権で宇宙軍創設に関わった元米将軍レイモンド氏を取締役に迎え、米政府との関係強化や宇宙開発での量子技術採用を目指します。軍事や創薬などの分野では計算精度が重要課題ですが、同社は10月21日に99.99%の精度達成を発表。業界をリードしています。
量子コンピューティングの「勝ち組」探し、IONQは有力候補といえそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:67.88ドル
同、アナリスト・レーティング:5段階評価の4.44
最低投資金額:8,600円(11/5終値、1ドル154.0円換算)