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3Q(7-9月期)決算速報(現地10/28寄り前発表)
2011年に学生向けローンの借換サービスで起業、社名を「Social Finance」とした。ソフトバンク・グループも大株主に名を連ねる同社は、M&Aを活用し、継続的なイノベーションによりブランドを構築、大きく成長してきた。現在は、個人向けローン、投資、デジタル・バンキングなどに事業を拡大。オール・イン・ワン型のオンライン金融サービス企業となった。主要事業は主に3つ、「レンディング(学生・住宅・個人向けローン等)」、「金融サービス(クレジットカード等)」および「テクノロジー・プラットフォーム(決済インフラ等)」。
CEOはアンソニー・ノト氏。ウェストポイント(米陸軍士官学校)出身。ゴールドマン・サックスのテック/メディアのアナリストやツイッター(現X)最高執行責任者(COO)を経て18年3月にソーファイのCEOに就任した。キャリアにおいて数々の成功を収めた同氏の手腕は当社の経営でも発揮されるのか、注目を集めている。
決算発表当日の株価:31.66ドル(+5.53%)
調整後売上高:9.50億ドル、前年同期比+38%(予想8.98億ドル)〇市場予想を上回った
予想比較調整後EPS:0.11ドル、前年同期は0.05ドル(予想0.09ドル)〇市場予想を上回った
比較EBITDA:2.77億ドル、前年同期比+49%(予想2.60億ドル)〇市場予想を上回った
口座数:1,264万、前年同期比+35%(予想1,241万)〇市場予想を上回った
通期会社見通し
調整後売上高:35.4億ドル、従来予想の33.8億ドルから上方修正(予想34.5億ドル)〇市場予想を上回った
比較EBITDA:10.4億ドル、従来予想の9.60億ドルから上方修正(予想9.97億ドル)〇市場予想を上回った
2Qに続き3Qの実績値、通期の会社予想とも売上高・利益が市場予想を上回りました。株価は28日の通常取引で約6%高、史上最高値を更新しました
決算発表当日のチャート
決算のポイント
◆レンディング事業
調整後売上高:4.93億ドル、前年同期比+25%(予想4.50億ドル)〇市場予想を上回った
◆金融サービス事業
調整後売上高:4.20億ドル、前年同期比+76%(予想3.59億ドル)〇市場予想を上回った
◆テクノロジー・プラットフォーム事業
調整後売上高:1.15億ドル、前年同期比+12%(予想1.12億ドル)〇市場予想を上回った
◆財務
ローン保有残高:99.3億ドル、前年同期比+57%(予想86.8億ドル)〇市場予想を大幅に上回った
パーソナル・ローン(個人向け貸出)の貸倒率は前の四半期の2.83%から2.60%に低下
手数料ベースの売上高は4.1億ドル。全体の約43%で、24年12月期の37%から拡大。手数料ベース事業の拡大は金利動向に左右されにくく、安定的な事業運営が可能になる
経営陣の主なコメント
(ノトCEO)3Qも素晴らしい業績だった。ワンストップショップ戦略は絶好調、私がSoFiに入社した8年間でこれまでにないほど多くのことが起こっている
暗号資産・ブロックチェーン、AI、SoFi Pay、法定通貨および暗号資産の銀行サービスの提供など、新たな分野への進出に全力で取組んでいる
過去最高の90.5万人の新規会員を獲得、会員総数は前年同期比35%増の1,260万人となった
クロスバイ(関連商品をあわせて提案する購買戦略)は2022年以来の最高水準に達し、新規商品の40%は既存のSoFi会員によって購入された。クロスバイ率は過去四半期連続で増加しており、当社のワンストップショップ戦略の有効性を実証している
売上高は9.50億ドルで過去最高、前年同期比38%増だった
40%ルール※は上場以来、17四半期連続で上回っている。同期間の平均スコアは58%で、フィンテック企業やテクノロジー企業全体の中でもトップクラスの実績を誇る。今四半期は67%を達成した
足元業績は好調だが拡大はまだ始まりに過ぎない。当社が提供するサービスは米国のみならず、世界各国においても非常に大きなものだ
2026年以降、SoFiはAIとブロックチェーンという2つのテクノロジー・スーパーサイクルの恩恵を受けるとみている。他業界のほとんどは、どちらか一方からしか恩恵を受けない。SoFiは約1,300万人の会員、比類ない技術力、年間売上高38億ドル、バランスシート450億ドルという事業規模を背景に確固たる基盤を築いている
3Qのローン・プラットフォーム事業は34億ドルの融資を実行。これは前四半期比9億ドル増。年換算130億ドル以上の融資と、高利益率の手数料収入6.6億ドルペースで運営されている
住宅ローンは、住宅資産を有効活用できるような住宅ローン商品を開発・提供開始。開始からわずか1年で3.5億ドル超の住宅ローンを組成、組成額合計は過去最高の9.45億ドルに達した。4Qは学生ローンの借換より住宅ローン収益が上回る最初の四半期になると予想
テクノロジープラットフォーム部門では幅広い企業が、SoFiの革新的なサービスを利用可能になった。本日、北米最大航空会社の一社であるサウスウエスト航空と提携を発表した
※40%ルール:増収率+調整後営業利益率。ソフトウェア企業やベンチャー企業へ投資する際の指標の一つ。40%が優良企業の目安となる
決算を受けたマーケットの反応
ノトCEOは「ワンストップ・サービスの提供」をミッションに掲げ、金融機関として米国時価総額トップ10入りを目指しています。
そうした中、10月上旬には米国で自動車販売店融資や自動車部品メーカーなど数社が突如破綻。金融市場に信用リスクが浮上し、SoFiの決算にも注目が集まりました。しかし、蓋を開けてみると個人向けローンの貸倒れ率は2.83%から2.60%へと改善。同社の原点である学生向けローン事業では、スタンフォード大学出身者をはじめとする、いわゆるHENRY(High Earning, Not Rich Yet:高所得だが富裕層ではない)層を主顧客とするなど、質の高さを想起させました。
さらに、同社が推進するブランディング戦略も奏功し、利用者数は順調に増加。クロスセル率も拡大しています。AIや暗号資産を活用したサービスの拡充に加え、米国外への展開も進行中。ノトCEOは「事業拡大はまだ始まったばかり」と語っており、今後の展開から目が離せません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:24.17ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の3.15
最低投資金額:約4,800円(10/28終値、1ドル151.60円換算)