2025-11-18 06:53:44

エヌビディア(NVDA)世界をリードする同社、決算で見えた「成長の壁」と「次の一手」

2025/8/28

投資情報部 谷 健一郎

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エヌビディア(NVDA)は2025年8月時点で信用買・売建可能銘柄となっております

アメリカNOW!フラッシュ 米国株決算速報

2Q(5-7月期)決算速報(現地8/27引け後発表)

銘柄情報

AIコンピューティングの世界トップ企業の一社です。半導体開発やAI向けのソリューションで業界をリード。AIによる、言わば産業界の革命的ムーブメントに関与。医療、自動運転、物流/交通、工業ロボティクス、ヒューマノイド・ロボティクスと様々な分野で存在感を示します。米国上場の株式時価総額では堂々の第1位(8/27現在)。米国を代表する企業の一社と言えます。

  • 決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):175.93ドル(-3.12%)

  • 売上高:464.7億ドル、前年同期比+56%(予想462.3億ドル〇市場予想を上回った

  • 調整後EPS:1.05ドル、前年同期は0.68ドル(予想1.01ドル〇市場予想を上回った

  • 調整後粗利益率:72.7%、前年同期は75.7%(予想72.1%〇市場予想を上回った

  • 8-10月期売上高見通し:540億ドル±2%(予想534.6億ドル〇中間値が市場予想を上回った

  • 8-10月期調整後粗利益率見通し:73.5%±0.5%(予想73.4%〇中間値が市場予想を上回った

 

2Qの売上高と調整後EPSは市場予想を上回りました。3Qの売上高会社見通しも市場予想を上回りましたが、全体的に成長鈍化を感じさせる印象から引け後の取引で株価は小幅安となりました

引け後の時間外取引のチャート

決算のポイント

◆事業動向

  • データセンター向け売上高:411.0億ドル、前年同期比+56%(予想412.9億ドル×市場予想を下回った

  • ゲーム向け売上高:42.9億ドル、前年同期比+49%(予想38.2億ドル〇市場予想を上回った

  • プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上高:6.01億ドル、前年同期比+32%(予想5.32億ドル〇市場予想を上回った

  • オートモーティブ売上高:5.86億ドル、前年同期比+69%(予想5.93億ドル×市場予想を下回った

 

◆財務動向

  • R&D(研究開発)費用:42.9億ドル、前年同期比+39%(予想44.4億ドル)市場予想に届かず

  • フリーキャッシュフロー:134.5億ドル、前年同期比-0.2%、(予想238億ドル×市場予想を大きく下回った

 

◆ハイライト

  • 600億ドルの自社株買いを追加

  • 3Qの売上見通しにH20チップの対中輸出分は含まれていない

 

経営陣の主なコメント

  • Blackwellプラットフォームは極めて好調。前四半期比で17%増。2Qには次世代モデルのGB300の生産出荷開始。主要クラウドサービスプロバイダー、ネオクラウド、企業向けそして政府機関向けのフルスタックAIソリューションが当社成長に貢献している

  • Rubinプラットフォーム(次世代AIスーパーコンピュータ)は来年量産予定

  • 当社はBlackwellのライセンス取得を中国で進めることが重要と認識。米国政府との協議を通じ中国市場に対応できるよう働きかけている

  

  • 当社の新しいロボティクス・コンピューティング・プラットフォーム「Jetson Thor」をリリースした。Thor は(前モデルの)NVIDIA AGX Orin と比べて桁違いに優れた AI パフォーマンスとエネルギー効率を実現した。最新の生成・推論 AI モデルをエッジでリアルタイムに実行、最先端のロボティクスを実現しよう

  • 世界中の企業がNVIDIAのAIスタックを採用し、AIインフラ投資は今後も増加しよう

 

  • 中国市場への出荷は制限中。3Qの売上会社見通しにH20は含んでいない。地政学的状況が解決されれば同チップの売上高は20〜50億ドルに達しよう

 

  • ソブリンAIが台頭。欧州・英国などでのAIインフラ投資が拡大している

 

  • ゲーミング売上は過去最高の43億ドル。GeForce RTX 5060が好調。GeForce NOWがBlackwell対応で大幅アップグレード

 

  • 富岳NEXTはNVIDIAのCUDA-Q量子プラットフォーム上で稼働する、主要な量子スーパーコンピューティングおよび研究センターのリスト入りした。AWS、Google Quantum AI、Quantinuum、QuEraやPsiQuantumなど、300を超えるエコシステムパートナーによりサポートされている

 

決算を受けたマーケットの反応

世界一の企業に上り詰めたと言えるエヌビディア(時価総額4.4兆ドル)。2Qには約6.8兆円の売上で前年同期比で56%の成長を遂げました。しかし企業規模の拡大に伴い、成長速度が緩やかになりはじめました。加えて、データセンター向け売上高が市場予想に届かなかったことから、満点の決算とは言い切れない状況です。

また、H20の中国向け輸出が解禁された一方で、中国政府による同社製チップの使用禁止や、米国政府による中国売上高の15%課税など、政治的な影響を受けた四半期でもありました。このような不透明感は、株価の重しとなったと見られます。

とはいえ、データセンター向けでは次世代モデルのリリースが控えており、成長の余地は十分にありそう。ヒューマノイドロボット向けには、新たに「Jetson Thor」[注]チップを発表。次なる成長の萌芽が着実に見え始めています。

 

 [注]Jetson Thor 紹介動画 ※外部サイト(YouTubeのエヌビディア動画)に遷移します

Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:197.65ドル

同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.74

同、相関チャート上位の同業はマーベル・テクノロジー(MRVL)アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)ラムバス(RMBS)

最低投資金額:約26,800円(8/27終値、1ドル147.40円換算)

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