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2Q決算速報(現地7/31引け後発表)
世界最大級のEコマース企業。クラウド・ビジネスではアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)で業界首位を走る。デジタル広告では、グーグル、メタに次ぐ3位につける。ジェフ・ベゾス氏からCEOのバトンを受け継いだアンディ・ジャシー氏の路線は、売上成長と合わせて利益も追及、創業者とは一線を画す。AIでは2月に1,000億ドルの投資を打出す。データセンター、自社製半導体開発、AI関連サービスの充実化を図ります。
決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):218.60ドル(-6.63%)
売上高:1,677.0億ドル、前年同期比+13%(予想1,621.5億ドル)〇市場予想を上回った
EPS:1.68ドル、前年同期は1.59ドル(予想1.33ドル)〇市場予想を上回った
3Q会社見通し
売上高見通し:1,740億〜1,795億ドル(予想1732.4億ドル)〇市場予想を上回った
営業利益見通し:155億〜205億ドル(予想194.2億ドル)×中間値が市場予想を下回った
2Qの売上とEPSは市場予想を上回りました。ただ3Qの営業利益見通しが冴えなかったことや、カンファレンス・コールのジャシーCEO発言が嫌気され引け後の株価は下落しました
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
◆事業別売上高等
オンライン売上:614.9億ドル、前年同期比+11%(予想591.3億ドル)〇市場予想を上回った
実店舗売上:56.0億ドル、前年同期比+7%(予想54.9億ドル)〇市場予想を上回った
サードパーティー・セラー売上高:403.5億ドル、前年同期比+11%(予想389.7億ドル)〇市場予想を上回った
サブスクリプション売上:122.1億ドル、前年同期比+12%(予想119.2億ドル)〇市場予想を上回った
広告サービス売上:156.9億ドル、前年同期比+23%(予想149.9億ドル)〇市場予想を上回った
◆アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)
売上高:308.7億ドル、前年同期比+17%(予想307.7億ドル)〇市場予想をわずかに上回った
◆営業費用
輸送コスト:233.7億ドル、前年同期比+6%(予想215.1億ドル)×市場予想より多かった
経営陣の主なコメント
EC事業で重要なのは、品揃え・低価格そして配送の速さ
品揃えを充実。ナイキを復活。Dolce & Gabbana、Etro、Stella McCartneyなどを追加
生鮮食品のパイロットプログラムは成功、当日配送している。20%の顧客が1ヶ月以内に再利用、高評価を得ている
配送速度が向上。当日・翌日配送が前年比30%増
ネットワーク効率化で輸送距離12%短縮、取り扱い回数15%減。年末までに4,000以上の地域、全米数千万の顧客へ即日・翌日配送を展開する
自動化とロボット導入でコスト削減・顧客体験向上に貢献
グローバル配送ネットワークに100万台のロボット導入、自動荷物仕分け、人間工学に基づいた革新的な技術を導入
広告好調。売上高は157億ドルで前年同期比22%増
Amazon DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)は外部への展開も可能。広告の最適化、高精度、効率的、効果的な広告成果を得る
AWSは売上高前年比17.5%増。ペプシコ、Airbnb、ペロトン、NASDAQ、ロンドン証券取引所、日産自動車、GitLab、SAP、ワーナー・ブラザースといった企業と新契約締結、クラウド移行を支援
AWSの需要は供給能力を大きく上回っている。いくつかの制約が複数カ所に存在。最大の制約は電力だ
半導体チップ、サーバーにも制約がある。課題の克服に取組んでいるものの、数四半期で現在の需要に対応できるとは考えていない。これは業界全体に言えることでもある。数四半期かかると思うが、状況は改善するし、楽観視している
Project Kuiperの3回目のローンチを完了。商用化前だが、多数の企業・政府機関契約を締結
当プロジェクトは、Amazonが構築した低軌道衛星群。世界にはブロードバンド接続のない世帯が4〜5億世帯ある。KuiperとAWSがシームレスにつながることは企業や政府機関にとって非常に魅力。契約締結数の伸びは目覚ましい
Amazon Pharmacyの成長に満足してる。既に大規模事業に成長しているが、今年は前年比50%の成長を遂げている
決算を受けたマーケットの反応
クラウド事業はアマゾンの稼ぎ頭であり、AWSは依然として業界のトップに君臨しています。しかし、今回の決算では売上高の伸びが前年同期比17%増にとどまり、マイクロソフトのAzureやGoogle Cloudと比べて見劣りする結果となりました。
さらに、ジャシーCEOがカンファレンスコールで「同事業の成長には複数の制約がある」と発言したことが過度に解釈され、株価の下押し要因となったようです。
とはいえ、決算全体としては良好な内容でした。広告事業の力強い成長、物流改革の進展、宇宙事業など次世代の成長分野における成果は目を見張るものがあります。株価の調整局面は、むしろ投資の好機となる可能性もあるでしょう。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:252.86ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.84
同、相関チャート上位の同業はシー(SE)、リアルリアル(REAL)、エッツィ(ETSY)
最低投資金額:約35,300円(7/31終値、1ドル150.50円換算)