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アーム(ARM)AI需要で躍進も利益見通しにブレーキ〜株価急落の背景とは?

2025/7/31

投資情報部 谷 健一郎

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アーム・ホールディングス(ARM)は2025年7月時点で信用買・売建可能銘柄となっております

アメリカNOW!フラッシュ 米国株決算速報

1Q(4-6月期)決算速報(現地7/30引け後発表)

銘柄情報

ソフトバンク・グループ傘下で半導体設計の世界最大手企業。スマートフォン向け半導体設計では9割超のシェアを占める。同社の売上高は、主に半導体企業に対する自社設計のライセンス使用料、チップ出荷の際のロイヤルティー収入で構成される。省電力設計に強みを有する同社。AI活用のデータセンター向けなど、大量の電力を消費するチップ用にシェアを伸ばしつつある。今後は自動運転や人型ロボットなど大型市場の拡大が期待される。

  • 決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):149.35ドル(-8.56%)

  • 売上高:10.5億ドル、前年同期比+12%(予想10.5億ドル△市場予想と一致した

  • 調整後EPS:0.35ドル、前年同期は0.40ドル(予想0.35ドル)△市場予想と一致した 

 

 2Q会社見通し

  • 売上高見通し:10.1~11.1億ドル(予想10.6億ドル)△中間値が市場予想と一致した

  • 調整後EPS見通し:0.29~0.37ドル(予想0.35ドル×中間値が市場予想を下回った

 

1Qの実績値は市場予想と一致、2Qの利益見通しが市場予想に届かず引け後の取引で株価は急落しました

引け後の時間外取引のチャート

決算のポイント

 ◆事業動向

  • ライセンス及びその他売上高:4.68億ドル、前年同期比-1%(予想4.56億ドル〇市場予想を上回った

  • ロイヤルティ売上高:5.85億ドル、前年同期比+25%(予想5.96億ドル×市場予想を下回った

  • 調整後売上総利益:10.31億ドル、前年同期比+13%(予想10.3億ドル△市場予想と一致した

  • 調整後粗利益率:97.9%予想97.9%△市場予想と一致した 

  • 1990年以降出荷されたアームベースの半導体は3,250億個に達した

  • データセンター向けではハイパースケーラー[注1]の最大50%がArmベースのチップになると予想。既に7万社が当社設計チップを使用中

  • アーム・コンピュート・サブシステム (CSS)[注2]で設計されたチップでは新たに3社とライセンス契約を締結した

注1:ハイパースケーラー:アマゾン、マイクロソフト、グーグルなど主要クラウド事業社。膨大なインフラ設備を有しクラウドサービスを展開する

注2:アーム・コンピュート・サブシステム (CSS)は複数のアームIP(回路設計データ)を事前統合したサポート・システム

経営陣の主なコメント

  • 今年度は好調なスタートをきった。AI向けコンピューティング需要旺盛。スマートセンサー、家庭向けや工場向けから世界最先端のAIスーパーコンピュータに至るまで、AIワークロードはあらゆる場所で展開されている。高性能かつエネルギー効率が高いコンピューティングに対するかつてない需要がある

 

  • 売上高はQ1では過去最高の10億5,000万ドル、全四半期では2番目の高水準

 

 

  • CSSのNeoverseが急成長した。AIデータセンター向けに採用拡大。NVIDIA、AWS、Google、Microsoftなどが導入した

  

  • ソフトバンクとのビジネスは拡大。幅広いAIビジョンの実現を支援している。ARMは現在のプラットフォームにとどまらず、サブシステム、チップレット、そして将来的にはフルエンドソリューションといった、コンピューティング機能の追加領域への進出の可能性を模索している

 

  • データセンター向けのシェアが拡大している。昨年のシェアは推測だが20%を下回っていたものの今は50%近いとみている

  • これは2つの要因がある。1つめは、汎用ワークロード領域の置き換わりでGraviton、Google Axion、Microsoft Cobaltを通じて実現している。2つめはトレーニングや推論に特化したAIワークロードで実現している。従来のx86設計のチップから現在はNVIDIAのGrace Blackwell GB200から次世代GPU向けが牽引している

決算を受けたマーケットの反応

売上高と利益は市場予想と一致しましたが、今期の利益予想が市場予想に届かず、全体的に冴えない決算となりました。半導体設計におけるライセンス収入とロイヤルティ収入の二本柱から成る同社の事業モデルは、予測しやすい構造と言えます。加えて、経営陣の見通しは常に慎重である傾向があります。予想PERは92.5倍と高く、投資家の期待が大きい分、失望が売りにつながりやすい状況と言えそうです。

一方で、データセンター向けのシェアが大きく拡大し、50%に迫るなど同社の地力の強さが際立っています。今後は、人型ロボットなどバッテリー駆動で省電力が求められる製品や、自動運転向けなど、TAM(総獲得可能市場規模)の拡大による成長が期待されます。

 

Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:149.53ドル

同、アナリスト・レーティング:5段階評価の3.91

同、相関チャート上位の同業はNXPセミコンダクターズ(NXPI、インフィニオンテクノロジーズ(IFX)、STマイクロエレクトロニクス(STMPA

最低投資金額:24,400円(7/30終値、1ドル149円換算)

インフィニオンテクノロジーズ(IFX)、STマイクロエレクトロニクス(STMPA)は欧州市場上場で当社非取扱銘柄

銘柄情報

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