

1Q(1-3月期)決算速報(現地5/5引け後発表)
2017年創業のオンライン薬局。必要な場合は処方箋を出すことができる免許を保有するコンサルタントを擁して、オンラインで消費者からの相談を受け、処方薬、市販薬、ヘルスケア用品などの販売を行うオンライン薬局「Hims&Hers」を運営する。セクシュアルヘルス、脱毛、皮膚科、メンタルヘルス、肥満などの分野を中心に事業展開している。
特に2024年5月から取扱いを始めた「肥満治療」分野の貢献が大きく、売上、利益とも押し上げられた。
決算発表翌日の株価:49.47ドル(+18.12%)
予想比較売上高:5.86億ドル、前年同期比+110.7%(予想5.38億ドル)〇市場予想を大きく上回った
調整後EPS:0.20ドル、前年同期は0.05ドル(予想0.12ドル)〇市場予想を大きく上回った
2Q会社見通し
売上高見通し:5.30~5.50億ドル(予想5.64億ドル)×市場予想を下回った
調整後EBITDA:0.65~0.75億ドル(予想0.70億ドル)△中間値が市場予想と一致した
通期会社見通し
売上高見通し:23~24億ドル(予想23.3億ドル)〇中間値が市場予想をわずかに上回った
調整後EBITDA:2.95~3.35億ドル、従来の2.70~3.20ドルから上方修正(予想2.97億ドル)〇中間値が市場予想を上回った
2Q会社見通しが冴えないことなどから、決算発表後の引け後の時間外取引では売先行となっておりましたが、翌日の通常取引では大幅高となりました
決算発表翌日のチャート

決算のポイント
会社見通し
2030年には売上高を65億ドル、調整後EBITDAを13億ドルと見込む
◆事業動向
有料加入者数:236.6万人、前年同期比38.4%(予想240.5万人)×市場予想を下回った
ユーザー当り平均収益:84ドル、前年同期は55ドル(予想75.9ドル)〇市場予想を大きく上回った
◆営業費用
広告及び販促費:2.31億ドル、前年同期比+77.1%(予想2.38億ドル)〇市場予想より少なかった
経営陣の主なコメント
グローバル・プラットフォームを築き、テクノロジーとデータを融合させケア・サービスを提供する。2030年までに売上高は65億ドル、13億ドルの調整後EBITDAを目指す。これは単なるビジョンではない。将来的に、数千万人のユーザーにアプローチする確固たるロードマップの基盤がある
在宅検査プロバイダーを買収。血液検査を簡便かつアクセスしやすく提供する。低テストステロン症や更年期障害のサポートサービスを開始予定
ネイダー・カッバーニ氏が新たに最高執行責任者(COO)に就任した。彼はアマゾンでの20年のキャリアを有する
英国でのサービス導入を皮切りに、世界規模でプラットフォームを拡大する
減量向けサービスは急成長した。わずか18ヶ月で、当社の最大の専門的なサービスの一つとなった。年初にリラグルチド(*2型糖尿病治療薬)を追加した。また、ノボ ノルディスクとの新たな提携を通じて、ウゴービ(*GLP-1受容体作動の肥満治療薬)提供も拡大する
決算を受けたマーケットの反応
同社は既に展開している英国でのビジネスを足掛かりに、特に英語圏でビジネスを拡大、また提供するサービスを増加中です。2030年には売上高を65億ドルと、25年12月期予想の約2.9倍、調整後EBITDAを同約4.1倍とする野心的な計画を発表しました。アマゾンで、ヘルスケア分野などを中心に20年以上のキャリアを有するカッバーニ氏を新COOを迎えた同社。新たな経営目標の実現性に注目が集まります。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:45.87ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の3.38
同、相関チャート上位の同業はCVSヘルス(CVS)、ウォルグリーン ブーツ アライアンス(WBA)
最低投資金額:約7,100円(5/6終値、1ドル143円換算)