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3Q決算速報(現地4/30引け後発表)
アメリカを代表するビッグ・テックの一角。米国上場企業時価総額ではアップルに次ぐ2位(4/30現在)。
パブリック・クラウド・サービスのアジュール、Microsoft365などのソフトウェア、WindowsやSurfaceなどの事業で安定的な収益を確保。ソフトウェア企業としては時価総額トップ。AIを活用したCopilotや、投資するOpenAI社の技術、「ChatGPT」などのAIテクノロジーで次の成長を狙います。
決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):422.60ドル(+6.93%)
売上高:700.7億ドル、前年同期比+13%(予想684.8億ドル)〇市場予想を上回った
比較調整後EPS:3.46ドル、前年同期は2.94ドル(予想3.21ドル)〇市場予想を上回った
売上高、調整後EPSとも市場予想を上回りました。クラウド事業のアジュールの成長が市場予想を上回りポジティブ・サプライズとなりました
引け後の時間外取引のチャート

決算のポイント
◆各事業動向
プロダクティビティ&ビジネスプロセス収入:299億ドル、前年同期比+10%(予想296.5億ドル)〇市場予想を上回った
インテリジェントクラウド収入:267.5億ドル、前年同期比+21%(予想259.9億ドル)〇市場予想を上回った
パーソナルコンピューティング売上:133.7億ドル、前年同期比+6%(予想126.7億ドル)〇市場予想を上回った
調整後売上総利益率:68.7%、前年同期は70.1%(予想68.4%)〇市場予想を上回った
アジュール前年同期比成長率:35.0%、前年同期は35.0%(予想31.0%)〇市場予想を上回った
CAPEX(資本的支出):214億ドル、前年同期は140億ドル(予想225.6億ドル)市場予想より少なかった
◆財務動向
株主還元は配当金と自社株買いで97億ドルを実施
経営陣の主なコメント
クラウド事業が好調で記録的な四半期となった。クラウドとAIはあらゆる企業にとり、生産性の向上、コスト削減そして成長加速に不可欠な要素だ
データセンターの処理能力拡大を続けている。今四半期だけでも4大陸10カ国にデータセンターを設営。スケーリング法則によりモデル性能は6ヶ月ごとに倍増している
クラウドに関しては、アバクロンビー&フィッチからコカ・コーラ、サービス・ナウなど、様々な業界の顧客から需要が加速、Azureの利用範囲が拡大している。Azureは他のハイパースケーラーのサービスより多くの地域で稼働可能で差別化に繋がっている
Microsoft 365 Copilot はあらゆる地域や業種にわたり利用されユーザー数は前年比で 3 倍に増加している
4QはMicrosoft Cloudの粗利益率は67%に減少を見込む(3Qは69%)。しかし設備投資は前四半期比で増加しよう
決算を受けたマーケットの反応
1Q期中には、データセンター不足からクラウド事業の成長鈍化が報じられた同社。トランプ政権の関税政策など先行き不透明から同社の事業にも先行き警戒感が漂っていました。しかし決算発表ではアジュールの前年同期比成長率を35%と発表、市場予想の31%を上回りました。ナデラCEOは「クラウドとAIはあらゆる企業にとり生産性の向上、コスト削減そして成長加速に不可欠な要素」と指摘します。
WindowsやCopilotを展開、ソフトウェアでもナンバー1を標榜する同社。クラウド、オンプレミス(自社内端末)にAIを乗じたサービスを提供できる同社の優位性は揺るぎそうもありません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:491.17ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.81
同、相関チャート上位の同業はサービスナウ(NOW)、オラクル(ORCL)、パロアルトネットワークス(PANW)
最低投資金額:約56,200円(4/30終値、1ドル142円換算)