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アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜相場軟調の中でも52週高値を更新した銘柄群に注目〜

2017/03/13
投資調査部 榮 聡

先週の米国株式市場は、原油価格の下落を受けたエネルギーセクターの下落に加え、トランプ相場第2幕の上昇に対する利食いが優勢となり調整気味で推移しました。今週は、3/15(水)にオランダの議会選挙、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表など重要イベントが集中しており注目されます。テクニカル面では、トランプ相場第2幕による上昇過熱感は解消されつつあり、ポジティブ材料が出れば上昇しやすい状況と言えそうです。

今回は株価の動きに着目して、相場全般が調整気味で推移した先週、逆に52週高値を更新した銘柄群から、半導体製造装置の世界最大手アプライド マテリアルズ(AMAT)、SNSで世界最大のフェイスブック(FB)、旅行予約サイトで世界最大のプライスライン グループ(PCLN)、電子決済の最大手ビザ(V)、画像処理・文書編集システムの世界的企業のアドビ システムズ(ADBE)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表1:S&P500指数のローソク足(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じて、SBI証券が作成

先週の米国株式市場

先週の米国株式市場は、原油価格の下落を受けたエネルギーセクターの下落に加え、トランプ相場第2幕の上昇に対する利食いが優勢となり、また、3/14(火)〜3/15(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて様子見となりやすいタイミングでもあったため、調整気味で推移しました。一方、3/10(金)発表の米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、ポジティブなトーンで週末を迎えています。S&P500指数は週間で0.4%の下落でした。

2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比23.5万人増で市場予想の同19万人増を上回りました。天候に恵まれて建設業で同5.8万人増となったほか、製造業が同2.8万人増となったのがポジティブです。労働参加率が63%に0.1%上昇した上で失業率は4.8%から4.7%に低下して、米国の雇用状況の良さが確認されました。一方、米10年国債利回りは過去2週間で2.31%から0.3%ポイント近くも上昇していたことから、3/10(金)は前日比で若干の低下となっています。

今週の米国株式市場

今週の米国株式市場は、3/15(水)に重要イベントが集中しており注目されます。テクニカル面では、図表1の通りS&P500指数の25日移動平均線が現値近辺に近づいてきており、トランプ相場第2幕の上昇過熱感は解消されつつあります。ポジティブ材料が出れば、上昇しやすい状況と言えそうです。

【3/15(水)、3/16(木)の重要イベント】
・オランダ総選挙・・・ウィルダース党首率いる極右の自由党の獲得議席がどこまで伸びるのか注目されます。他の政党が自由党とは連立しないとしているため政権獲得は難しいと考えられますが、4/23(日)のフランス大統領選で同じく極右政党である国民戦線のル・ペン候補の勢いに影響する可能性がとりざたされています。

・FOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表・・・0.25%の利上げが確実と見られています。注目はFOMCメンバーの17年末の政策金利予想で、昨年12月時点の利上げ3回に相当する1.375%から引き上げられるかです。好調な経済指標とインフレ指標の浮揚を背景に利上げ4回相当になるとの見方も市場の一部にあり、サプライズとなる可能性があります。

・米債務上限適用停止の期限・・・早期に債務上限が引き上げられないと政府活動が制約を受ける懸念があり、3/9(木)にムニューシン財務長官が議会に債務上限引き上げを要請しています。当面はさまざまな「非標準的措置」によって問題は回避されると見られています。

・トランプ大統領の予算教書・・・18会計年度(17年10月〜18年9月)の予算教書は3/16(木)に議会に提出される見込みです。今回は骨格のみで税制改革などは含まれず、本格予算の提出は5月になる見込みです。国防費の増加の一方、環境保護局などの予算削減が勧告される見通しです。

今週の経済指標では、3/14(火)に2月の中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(いずれも16年12月分から前年比の伸びが高まる予想[1月分は発表なし])、3/15(水)に2月の米小売売上高(前月比0.1%減の予想)、3/16(木)に2月の米住宅着工・許可件数(着工は前月比0.7%増、許可は同3.3%減の予想)、3/17(金)にミシガン大学消費者マインド(97に改善予想)などが予定されています。

今週の5銘柄

今回は株価の値動きに着目して、先週52週高値を更新した銘柄からご紹介いたします。相場全体がやや軟調となる中でも高値を更新したということは、株が買われる個別の理由が存在している可能性が高く、全般がもみ合う中でも上昇が期待できるでしょう。

当社の米国株スクリーナーを使用して、(1)S&P500指数採用銘柄、(2)過去5営業日に52週高値を更新、(3)時価総額300億ドル以上の条件で抽出した銘柄を図表3にリストアップしています(選択した銘柄を赤字でハイライト)。

株価の移動平均線乖離、業績動向、予想PERなどを勘案して、半導体製造装置のアプライド マテリアルズ(AMAT)、SNSで世界最大のフェイスブック(FB)、旅行予約サイトで世界最大のプライスライン グループ(PCLN)、電子決済の最大手のビザ(V)、画像処理・文書編集システムの世界的企業のアドビ システムズ(ADBE)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表2:株式市場と債券市場、どちらが妥当なのか?

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:先週52週高値更新した銘柄群

注:時価総額300億ドル以上の銘柄です。
※当社WEBサイトの「米国株スクリーナー」をもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

買付 チャート 銘柄 株価
(3/10)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートアプライド マテリアルズ(AMAT)66.27ドル27.2 ・世界最大の半導体製造装置メーカーで、半導体、フラットパネルディスプレイ向けを手がけます。

・11-1月期実績の売上、EPSはほぼ市場予想に沿うものでしたが、同期の受注高は市場予想の21%上、2-4月期ガイダンスは売上(レンジ中央値)が同じく8%上、EPS(レンジ中央値)が同じく21%上と先行きの指標はいずれも市場予想を大きく上回って好調でした。2/15の決算発表から高値の更新が続いています。

・決算説明会では、好業績の背景である「5つの複数年にわたる変節点(inflections)」として、(1)10ナノメートル、7ナノメートル技術採用に伴う投資、(2)3次元NANDの立ち上り、(3)微細化の手法で「パターニング」の高成長、(4)ディスプレイの分野では、60インチ以上の大型テレビの市場拡大と有機EL製造装置への需要の広がり、(5)中国における半導体産業への投資拡大があげられています。
買付チャートフェイスブック A(FB)53.84ドル20.9 ・月間アクティブユーザーが18億人超のSNS「フェイスブック」のほか、メッセンジャーの「ワッツアップ」、写真共有サイト「インスタグラム」を擁して、中国を除くグローバルのSNS市場で盤石の基盤を構築しています。

・10-12月期決算発表では、17年は投資の年になるとして総費用(Non-GAAPベース)が前年比47-57%増加するとのガイダンスを発表しましたが、同時に月間アクティブユーザー数が6億人に達する「インスタグラム」などの収益化を進めるとしたことから、予想EPSのコンセンサスは決算発表後に上方修正されました。「インスタグラム」の広告主は現在50万社で、フェイスブックの200万社に比べてまだ小さく、今後の収益拡大余地が大きいと考えられます。

・成長度合いに比べて、PERには評価の余地があると見られます。
買付チャートプライスライン グループ(PCLN)16.95ドル30.3 ・オンライン旅行予約の大手で、宿泊予約では世界最大です。欧州の宿泊予約サイトのブッキングドットコム、旅行比較サイトのKAYAK、レストラン予約のオープンテーブルを買収して事業分野を拡げてきました。

・2/27(月)発表の16年10-12月期決算は、売上が18%増、EPSが35%増で、いずれも市場予想を上回って好調でした。同期の旅行受注高も宿泊予約が牽引して前年同期比26%増と会社ガイダンスの17-22%増を上回りました。1-3月期のガイダンスも旅行受注高は前年同期比19-24%増と好調持続が見込まれています。

・売上の7割超を占める欧州で、失業率が13年以来着実に低下していることから消費が回復しており、その恩恵を受けていると考えられます。
買付チャートビザ A(V)110.21ドル22.9 ・クレジットカード、デビットカードによる電子決済のグローバル市場(中国を除く)をマスターカードと二分している企業です。

・同社の10-12月期決算は、16年7-9月期よりビザ・ヨーロッパを統合した効果で売上・EPSとも前年比25%の大幅増となりましたが、市場予想に対してもそれぞれ4%、10%上回って好調でした。17年9月期のガイダンスは、売上が16-18%増、EPSは1桁台の半ばの伸びで前回から維持されましたが、保守的となっている可能性がありそうです。

・CEOはリリースで、「第1四半期は、カード購入額が世界のほぼすべての地域で加速してすばらしいスタートを切った。今後についても、国内の数量増、新興国での電子決済の普及、先進国でのeコマースのさらなる加速から良いモメンタムの継続を見込んでいる。」としています。
買付チャートアドビ システムズ(ADBE)278.15ドル34.7 ・画像処理・文書編集システムの世界的企業です。PDFやFLASH、画像加工のPhotoshop、作画のIllustrator、DTP処理のInDesignなど世界標準ソフトを多数擁します。

・同社の事業は、クリエイティブクラウド、ドキュメントクラウド、マーケティングクラウドに分けられますが、成長を牽引しているのはクリエイティブクラウドで、インターネットの普及を背景とするデジタルメディアの拡大から恩恵を受けています。

・12-2月期決算は、3/16(木)に発表予定です。コンセンサス予想は、売上が前年同期比19%増、EPSが同74%増です。

注:予想PERは、Bloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。アプライドマテリアルズは17年10月期、ビザは17年9月期、アドビシステムズは17年11月期、それ以外は17年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

日付 経済指標・イベント 企業決算
13(月)・日本機械受注(1月)
・米労働市場情勢指数(2月)
 
14(火)・中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(2月)
・ユーロ圏鉱工業生産(1月)
・ドイツZEW景況調査(3月)
・米生産者物価指数(2月)
15(水)・オランダ議会選挙
・米小売売上高(2月)

・米消費者物価指数(2月)
・ニューヨーク連銀製造業景気指数(3月)
・NAHB住宅市場指数(3月)
・FOMC政策金利
・米債務上限適用停止の期限
オラクル
16(木)・日銀政策金利
・ユーロ圏新車登録台数(2月)
・ユーロ圏消費者物価指数(2月)
・米住宅着工・許可件数(2月)
・フィラデルフィア連銀景況指数(3月)
・JOLT求人(1月)
・トランプ大統領の予算教書(16日までに提出)
アドビシステムズ、ダラーゼネラル
17(金)・G20財務大臣・中央銀行総裁会議(18日まで)
・米鉱工業生産(2月)
・ミシガン大学消費者マインド(3月)
・OPEC・非OPEC減産監視の専門家会合
ティファニー
20(月)・東京市場休場(春分の日)
・シカゴ連銀全米活動指数(2月)
21(火)ナイキ、フェデックス、ゼネラルミルズ
22(水)・日本貿易統計(2月)
・米中古住宅販売件数(2月)
23(木)・米新築住宅販売件数(2月)
・イエレンFRB議長講演
マイクロンテクノロジー
24(金)・ユーロ圏消費者信頼感(3月)
・マークイットユーロ圏製造業・サービス業PMI(3月)
・米耐久財受注(2月)

注:企業決算の青字でのハイライトは当社顧客保有者数の51〜70位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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