発表時には株価に「織り込み済み」のことも
「好業績の発表がありそうだ」
「決算内容が上方修正される」
といった情報は株価に大きなインパクトを与えます。
ポジティブなものはもちろんネガティブなものも含めて、株価への影響が大きい情報を「材料」といいます。
例えば、決算発表前に「好業績の発表になる」との事前情報が材料となって株価が大きく上昇することがあります。こんな場合は、実際に決算発表で事前情報どおり好業績の発表を行っても、株価がそれほど上昇しないどころか、下落することもあります。
これは、好業績の発表になることを見越して、すでに株価が上昇していたからで、「好決算は株価に織り込み済み」などといわれます。
投資初心者が株式投資で悩む点のひとつが、この「材料出尽くし」「織り込み済み」といった言葉でしょう。業績の上方修正という好材料がでてきた時に、「素直に買われる」銘柄と、「材料出尽くし」「織り込み済み」といって株価が上昇しなかったり、時には大幅下落してしまう銘柄があるからです。
今回は、「材料出尽くし」「織り込み済み」の見極め方について、ヒントとなるポイントをご説明します。
誰が予想しているのか?
まずは、企業業績については、様々な主体が予想しています。例えば下記のよう予想があります。
カテゴリ |
予想する主体 |
対象企業 |
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会社予想 |
その企業そのもの |
金融・電力などを除く数多くの企業 |
四季報予想 |
東洋経済新報社 |
ほぼすべての上場企業 |
アナリスト予想 |
証券会社などのアナリスト |
流動性の高い上位数百銘柄 |
各予想の違いは?
会社予想 |
金融機関・電力などを除くとほぼすべての企業が今期の業績予想を公表しています。本来は自らが予想するので、一番確かな情報といえるでしょう。 |
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四季報予想 |
「会社四季報」を出版している東洋経済新報社が予想しているものです。新規上場などを除くほぼすべての上場企業の予想をしています。個人投資家にも馴染みが深く、会社予想以外では、最も数多くの投資家が注目している予想でしょう。同様な情報として、日本経済新聞出版社の「日経会社情報」の予想もあります。 |
アナリスト予想 |
証券会社などのアナリストが予想するものです。 |
どこで、予想を知ることが出来る?
会社予想や四季報予想は、SBI証券にログイン後の個別銘柄ページ→四季報→財務状況のページでご確認いただくことが可能です。
図1の赤線で囲んだ部分が四季報予想、青線で囲んだ部分が会社予想です。
図1:会社予想と四季報予想の見方
アナリスト予想は、各証券会社が提供しているものになり、基本的には機関投資家向けに提供されているものが多いので、個人投資家が入手するのは、難しいと思われます。
しかし、アナリストの予想の有無や、その平均値であるコンセンサスなどは、Yahoo!ファイナンスで誰でも、無料で確認が可能です。
Yahoo!ファイナンスで、株式会社アイフィスジャパンが提供しているIFIS株予想でご覧いただけます。
重要なのは、その銘柄を予想しているアナリストがいるか、いないかの確認が重要です。三千を超える上場銘柄のうち、アナリストが予想しているのは数百銘柄だけです。複数のアナリストが予想している銘柄であれば機関投資家・外国人投資家などは、そのアナリストの予想を前提として投資していると考えても良いでしょう。
予想のタイミングは?
上場企業は、四半期(3ヶ月)ごとの決算期終了後45日以内に、四半期における財務や業績の概況の開示を行う必要があります。30日以内の開示が望ましいとされるので、期末後ほぼ1ヵ月後ぐらいに決算発表をする企業が集中することになります。
企業決算の発表の時期になると、日本経済新聞の企業面に企業発表の前に企業業績の観測記事が数多く掲載されます。企業の決算発表日程は、SBI証券にログイン後、マーケット>経済カレンダー>決算発表スケジュールで確認可能です。日経新聞の観測記事によって、株価が大きく動くことも多いので、十分にチェックが必要です。日経新聞の紙面には限りがあるので、基本的には大型株やその時の話題の企業や、会社予想と大きく異なるものなど、ニュース価値が大きそうな銘柄の記事が企業の決算発表の前に掲載されることになります。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。