東証マザーズ指数が連日の年初来高値を更新し、ついに3/29(火)には1,000ポイントの大台を超えてきました。3月の新規公開株ラッシュも想定されたほどの悪影響はなく、大型株の上値が重い展開の中で個人投資家を中心に投機的資金が集中しているようです。今回の福の神レポートでは、「東証マザーズ指数1,000ポイント超え、ココから狙える急成長東証マザーズ銘柄はコレだ!?」と題して、今後の東証マザーズ銘柄の動向を予想し、さらにココから狙える急成長東証マザーズ銘柄をご紹介いたします。
図1でわかるように東証マザーズ指数が、2/12(金)の安値664.92から、3/30(水)の高値1,024.12まで54%以上の急騰となっています。日経平均株価も3/14(月)の高値17,291.35円まで戻りましたが、その後は17,000円を挟んで一進一退の値動きとなっています。図2の比較チャートでもわかるように、2/12からの戻り相場においては、圧倒的に東証マザーズ指数の方が、強い値動きとなっています。
年初からの懸念であった原油相場・中国株式市場の下落はストップしましたが、米国の景気回復に力強さがなく、ドル円相場が円安に振れ気味で、輸出関連などの大型株の上値が重く、3月の新規公開株ラッシュも無難にこなせたことから、新興市場に個人投資家の資金が集まっているようです。
図1:東証マザーズ指数 日足チャート 1年
図2:東証マザーズ指数 日足比較チャート1年(日経平均株価)
- ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
それでは、この東証マザーズ指数の堅調相場は、更に続くのでしょうか?大きな懸念であった3月の新規公開株ラッシュも終了しました。
1つのヒントは、昨年2015/6/24付の日本経済新聞で報じられた「日本取引所、東証マザーズ先物上場 16年半ばに 」(下記参照)です。個人投資家の少ない資金であれば大きな問題になりませんが、外国人投資家、機関投資家が巨額の資金を東証マザーズ銘柄に投資する場合に、問題になるのが流動性の低さです。東証マザーズ銘柄は、東証1部銘柄に比較すると流動性が低い銘柄が多くなっています。特に下落局面においては売りたいときに売れなくなるので、大きな資金を動かす外国人投資家・機関投資家にとっては、東証マザーズ銘柄は売買がしづらい状態だったのです。
しかし、東証マザーズ先物が上場されれば、先物を売り建てることによって、ヘッジ(保険取引)をすることが可能になるのです。東証マザーズ先物上場によって、流動性が向上することが期待できるのです。
また、ヘッジファンドなどの投機筋にとっては、東証マザーズ市場の下落で大きな収益チャンスが生まれることになります。東証マザーズ銘柄の過半は貸株が少なく、信用取引でも貸借銘柄が少ないので、下落を収益チャンスにすることが難しかったのです。しかし、東証マザーズ先物が上場されれば、東証マザーズ市場の下落を収益チャンスにすることが可能です。下落で収益を狙う場合、その利幅をより大きくするには、出来るだけ高い水準から下落させることが必要です。
したがって、東証マザーズ銘柄を現物株式買いによって現状の水準より更に買い上げてから、その高値圏で新規上場となった東証マザーズ指数先物を大きく売建てを行い、保有していた現物株式を売却し大幅に下落させれば、個人投資家の信用取引の追証回避の売りを誘発し、更なる下落を招くことが可能です。実際にこのようになるかは判りませんが、先物導入によって指数の下落が収益チャンスとなる投資家が生まれることが想定されます。
このように考えると、東証マザーズ市場の堅調相場は、今年7月にも想定される東証マザーズ指数先物の上場までは続くと考えても良さそうです。
★日本経済新聞 2015年6月24日 朝刊より抜粋
日本取引所グループは新興企業で構成する株価指数「東証マザーズ指数」の先物取引を2016年半ばに始める。傘下の大阪取引所が来年央に導入する 次期売買システムの稼働に合わせ、マザーズ先物を上場する。日経平均株価の先物やオプションなど従来のデリバティブ(金融派生商品)の取引時間も延長する。利便性を高め、世界の取引所競争で後れを取るデリバティブ活性化を急ぐ。
新興株は値動きが荒く、マザーズ先物の上場で個人投資家が価格変動リスクを回避しやすくなる。スマートフォン向けゲームやバイオ株など近年はマザーズ市場が活況で、先物取引のニーズは高いと判断した。
東証マザーズ先物上場まで、東証マザーズ銘柄の堅調相場が期待できる銘柄として、来期の売上高・営業利益がともに大幅な伸びが予想される急成長東証マザーズ銘柄をスクリーニングによって、抽出しましょう。
★スクリーニング条件
◯東証マザーズ上場銘柄であること
◯時価総額が50億円以上であると
◯2015/12以前に東証マザーズ市場に上場していること
◯来期売上高変化率が30%以上の増収予想
◯来期営業利益変化率が30%以上の増益予想
◯25日移動平均乖離率が50%以下
上記の条件で抽出されたのが、表1の18銘柄です。この18銘柄が急成長東証マザーズ銘柄として、今後期待出来そうです。
表1:ココから狙える急成長東証マザーズ銘柄
コード |
銘柄名 |
業種 |
売上高変化率 |
営業利益変化率 |
時価総額 |
---|---|---|---|---|---|
6172 |
メタップス |
ネット広告 |
35.7 |
3,400.0 |
225 |
2158 |
UBIC |
情報セキュリティ |
25.0 |
366.7 |
341 |
3905 |
データセクション |
システム開発 |
27.9 |
150.0 |
64 |
3917 |
アイリッジ |
システム開発 |
44.1 |
133.3 |
129 |
3686 |
ディー・エル・イー |
アニメ制作・版権 |
66.7 |
133.3 |
161 |
6177 |
AppBank |
各種Webサイト |
25.0 |
100.0 |
103 |
3909 |
ショーケース・TV |
Webサイト関連システム |
33.3 |
56.3 |
66 |
3237 |
イントランス |
投資ファンド向けビル・施設販売 |
66.7 |
53.9 |
87 |
3928 |
マイネット |
コンテンツ配信 |
50.0 |
52.0 |
134 |
3415 |
STUDIOUS |
カジュアルウエア小売り |
25.0 |
40.6 |
55 |
6030 |
アドベンチャー |
旅行代理店 |
25.0 |
40.0 |
133 |
3915 |
テラスカイ |
システム開発 |
25.0 |
40.0 |
196 |
6094 |
フリークアウト |
ネット広告 |
41.7 |
40.0 |
275 |
6045 |
レントラックス |
ネット広告 |
29.0 |
38.3 |
66 |
6027 |
弁護士ドットコム |
各種Webサイト |
40.9 |
37.9 |
161 |
3925 |
ダブルスタンダード |
システム開発 |
35.3 |
36.0 |
117 |
6166 |
中村超硬 |
超硬工具 |
29.9 |
27.7 |
230 |
3904 |
カヤック |
コンテンツ配信 |
27.5 |
27.5 |
123 |
- ※業績予想は東洋経済新報社予想。
- 表1の急成長東証マザーズ銘柄の18銘柄の中から、テクニカル分析・定性分析において選出した5銘柄を、福の神特選の5銘柄としてご紹介します。
投資テーマ | 買収・再生事業 | 銘柄 コード |
3928 | 銘柄名 |
マイネット |
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概要 |
東京都港区北青山に本社があるスマホゲームの再生・運営ビジネスがメインビジネスの企業です。美麗・美少女系を中心としたスマートフォンゲーム向けに相互送客ネットワーク「CroPro(クロプロ)」を提供・運営することによって、多額な広告費を掛けることなく、運営しているスマホゲームの新規ユーザーを獲得しています。 |
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ココが ポイント! |
スクウェア・エニックスと業務提携契約を締結、「三国志乱舞」の運営及び開発がマイネットに移管されるなど、大手ゲーム会社のスマホゲームの運営が増加しています。スマホゲームの買収・再生事業は、中古ビル・マンションの買収・再生事業に似ていますが、競合他社は多く利益率が落ちている不動産に比較して、年率30%以上の投資収益が期待出来るスマホゲームの買収・再生事業は競合も少なく、今後安定的な高成長が期待出来そうです。 |
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投資テーマ | フィンテック(ブロックチェーン) | 銘柄 コード |
3917 | 銘柄名 |
アイリッジ |
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概要 |
東京都港区麻布台に本社があるネット・実店舗連携の『O2O』(オンライン・ツー・オフライン)のマーケティング支援企業です。O2Oやスマートフォン向け位置連動型サービスの分野では業界トップクラスの実績があります。IT(情報技術)ベンチャーのテックビューロ(大阪市)と業務提携しています。 |
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ココが ポイント! |
3/28に、クレディセゾンがアイリッジに追加投資しデジタルガレージとの三社連携の強化を発表しています。スマホ向けO2Oとブロックチェーンを活用したFinTechソリューションの共同開発を推進しており、今後の急成長が期待出来ます。 |
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投資テーマ | IoT、O2O、フィンテック | 銘柄 コード |
3909 | 銘柄名 |
ショーケース・ティービー |
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概要 |
東京都港区赤坂に本社があるWebサイトをより「見やすく・わかりやすく・入力しやすく」するWebサイト最適化サービスを開発・提供しているWebマーケティング支援の会社です。基本ストック型のビジネスで、3メガバンクをはじめとする金融機関、人材、不動産、EC業界を中心とした各界のリーディングカンパニーの累計6,200アカウント以上の導入実績があります。今後の成長は、IoT、O2Oやフィンテックなどの新規分野でのサービスです。まず、先行しているのはフィンテック分野で、登録したメールアドレスを、1000点満点でスコアリングを行うサービスです。そのメールアドレスがいつ、何処で、どのように作られたかを推定し、SNSなどで使われているかなど、様々な視点から考察して、そのメールアドレスへの信頼度をスコアリングします。信頼度が低いメールアドレスを入力されたときには、管理者にアラートを警告したり、極端な場合、それ以後の入力を拒否して、登録させなくするのです。 |
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ココが ポイント! |
3メガバンクをはじめとする金融機関、人材、不動産、EC業界を中心とした各界のリーディングカンパニーの顧客基盤に対して、IoT、O2Oやフィンテックなどの新規分野でのサービスを追加で提供することによって、容易に売上・収益ともに増加させることが可能です。2,000円前後で保ち合いとなっていますが、上抜ければ上値は軽くなりそうです。 |
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投資テーマ | おそ松さんと東京ガールズコレクション(TGC) | 銘柄 コード |
3686 | 銘柄名 |
ディー・エル・イー |
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概要 |
東京都千代田区麹町に本社がある『秘密結社鷹の爪』等などのキャラクタービジネスを展開するユニークなコンテンツ企業です。稼ぎ頭は、『秘密結社鷹の爪』『パンパカパンツ』で、営業益の過半を稼ぐ。大企業を中心に企業宣伝コンテンツキャラクターとして採用されています。また、LINEスタンプなどでの販売も好調なようです。 |
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ココが ポイント! |
最近大人気のアニメ『おそ松さん』のスマホゲームアプリが人気となっており、関連銘柄としても注目されています。国内のマニアックな層向けにビジネスを展開してきましたが、東京ガールズコレクション(TGC)の商標獲得するなど、今後はグローバル規模に急拡大する可能性がありそうです。 |
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投資テーマ | インバウンド | 銘柄 コード |
6030 | 銘柄名 |
アドベンチャー |
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概要 |
東京都港区白金台に本社がある航空券予約販売サイト「スカイチケット」と着地型アクティビティ販売サイト「WannaTrip」を運営しています。民泊に参入予定でAMBITIONと提携を検討中です。 |
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ココが ポイント! |
計18言語表記といった多言語対応や外国人向け国内ツアー商品の拡充など、2020年の東京オリンピックに向けて訪日外国人旅行者に向けたサービスを強化しており、インバウンド需要の更なる取り込みを図っています。 |
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- ※チャートは、すべて当社WEBサイトからSBI証券が作成
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
- ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。
- ※信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。
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