12/18(金)に日銀金融政策決定会合があり、現在の金融緩和策を補完する新たな制度の導入を決めました。日銀は、金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を補完するため、設備投資や人材投資に積極的な企業の株式が含まれるETF(上場投資信託)を年間およそ3,000億円買い入れる新たな枠の設置を決めています。
「設備投資や人材投資に積極的な企業の株式が含まれるETF(上場投資信託)」とは、黒田総裁の説明によると、当初はJPX日経インデックス400に連動するETFを念頭に置くものの、施策の趣旨に合致する新規のETFをつくるように運用会社に促すとのことです。新型ETFが出来るまでにはかなり時間がかかると思われますので、JPX日経インデックス400の構成銘柄に注目しました。TOPIX(東証株価指数)とJPX日経インデックス400の構成銘柄の組入れ比率を比較、JPX日経インデックス400の組入れ比率の高い銘柄を日本銀行が買いを増やす銘柄、逆にTOPIXの組入れ比率の高い銘柄を、日本銀行が買いを減らす銘柄と仮定して、ご紹介いたしましょう。
12/18(金)に日銀金融政策決定会合があり、日本銀行が現在の金融緩和策を補完する新たな制度の導入を決めました。日銀は、金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を補完するため、設備投資や人材投資に積極的な企業の株式が含まれるETF(上場投資信託)を年間およそ3,000億円買い入れる新たな枠の設置を決めています。
設備投資や人材投資に積極的な企業の株式が含まれるETF(上場投資信託)とは、黒田総裁の説明では、当初はJPX日経インデックス400に連動するETFを念頭に置きますが、こうした施策の趣旨に合致する新規のETFをつくるように運用会社に促すとのことです。
1)新たなETF買入れ枠の設定
ETFの買入れについて、現在の年間約3兆円の買入れに加え、新たに年間約3,000億円の枠を設け、「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株式を対象とするETFを買入れる。当初は、JPX日経400に連動するETFを買入対象とし、この施策の趣旨に合致する新規のETFが組成された場合には、速やかに買入対象に加える。新たな枠によるETF買入れは、日本銀行が買入れた銀行保有株式の売却開始に伴う市場への影響を打ち消す観点から、2016年4月より開始する。
表1・表2は、今回ご紹介する「2016年 日本銀行が買いを増やす銘柄・減らす銘柄」の一覧表です。
具体的な選定方法は、下記で説明します。
表1 2016年、日本銀行が買いを増やす銘柄 TOP10
NO. |
コード |
銘柄名 |
JPX400 |
TOPIX |
組入れ比率 |
---|---|---|---|---|---|
1 |
2914 |
日本たばこ産業 |
1.71 |
1.29 |
0.42 |
2 |
4502 |
武田薬品工業 |
1.47 |
1.09 |
0.38 |
3 |
3382 |
セブン&アイ・ホールディングス |
1.33 |
0.99 |
0.34 |
4 |
6954 |
ファナック |
1.31 |
0.97 |
0.34 |
5 |
9020 |
東日本旅客鉄道 |
1.24 |
0.92 |
0.32 |
6 |
7751 |
キヤノン |
1.21 |
0.90 |
0.31 |
7 |
4503 |
アステラス製薬 |
1.18 |
0.88 |
0.30 |
8 |
9022 |
東海旅客鉄道 |
1.12 |
0.83 |
0.29 |
9 |
9433 |
KDDI |
1.67 |
1.38 |
0.29 |
10 |
9437 |
NTTドコモ |
1.10 |
0.82 |
0.28 |
表2 2016年、日本銀行が買いを減らす銘柄 TOP5
NO. |
コード |
銘柄名 |
JPX400 |
TOPIX |
組入れ比率 |
---|---|---|---|---|---|
1 |
7203 |
トヨタ自動車 |
1.36 |
4.29 |
-2.93 |
2 |
8306 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ |
1.37 |
2.66 |
-1.29 |
3 |
8316 |
三井住友フィナンシャルグループ |
1.40 |
1.60 |
-0.19 |
4 |
9984 |
ソフトバンクグループ |
1.44 |
1.52 |
-0.07 |
5 |
8411 |
みずほフィナンシャルグループ |
1.46 |
1.49 |
-0.03 |
日銀は、東証株価指数(TOPIX)、日経平均株価(日経225)またはJPX日経インデックス400(JPX日経400)の3つの指数に連動するETFを対象として、それぞれの市場残高に比例して買入れを行っています。
12/22終値ベースで、指数ごとのETFの時価総額は、下記の通りです。
東証株価指数(TOPIX) 約6兆601億円
日経平均株価(日経225) 約7兆4,296億円
JPX日経インデックス400(JPX日経400) 約5,202億円
来年も今までの3兆円の枠を、この時価総額比で買うとすると、下記の金額のETFを購入することになります。
東証株価指数(TOPIX) 約1兆2,977億円
日経平均株価(日経225) 約1兆5,909億円
JPX日経インデックス400(JPX日経400) 約1,114億円
新規のETFが組成されるにはかなりの期間がかかりそうなので、2016年はJPX日経インデックス400(JPX日経400)に連動するETFが今回の補完措置として3,000億円買われるとすると
東証株価指数(TOPIX) 約1兆2,977億円
日経平均株価(日経225) 約1兆5,909億円
JPX日経インデックス400(JPX日経400) 約4,114億円
実際には、JPX日経インデックス400を対象とするETFの時価総額の増加も想定されるので、これ以上買われることになりそうです。
個別銘柄で考えると、東証株価指数(TOPIX)より、JPX日経インデックス400(JPX日経400)の組入れ比率の高い銘柄のほうが、日本銀行がJPX日経インデックス400を対象とするETF買いを通じて買いを増やす銘柄として考えられます。逆に東証株価指数(TOPIX)の組入れ比率の高い銘柄は、JPX日経インデックス400対象のETFの残高が増加して比率が高まるために、2015年と比較して東証株価指数(TOPIX)を対象とするETF買いを通じて買いを減らす銘柄として考えられそうです。
よって、「(1)12/18 日本銀行が緩和の補完措置導入」で示された表1、表2が「2016年、日本銀行が買いを増やす銘柄 TOP10」と「2016年、日本銀行が買いを減らす銘柄 TOP5」になると想定されるのです。
日本銀行による、今回の補完措置導入による3,000億円の枠の買い入れは来年2016年4月からの予定です。JPX日経インデックス400は、11/19高値14,521.94円を戻り高値にして反落相場となっており、25日移動平均線も割り込んでいます。
新年相場で期待出来そうな銘柄として、東証株価指数(TOPIX) より、JPX日経インデックス400(JPX日経400)の組入れ比率の高い銘柄の上位50銘柄のうちで、12/22終値ベースで25日移動平均線を上回っている銘柄を、「表3 2016年、日本銀行が買いを増やす上昇基調の銘柄」 で9銘柄ご紹介しています。この中から業種が同一の銘柄を除いた6銘柄をピックアップして、年始相場で期待出来そうな「2016年 日本銀行が買いを増やす上昇基調の銘柄」としてご紹介いたします。
表3 2016年、日本銀行が買いを増やす上昇基調の銘柄
NO. |
コード |
銘柄名 |
JPX400 |
TOPIX |
組入れ比率 |
25日移動 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
2914 |
日本たばこ産業 |
1.71 |
1.29 |
0.42 |
0.3 |
2 |
7751 |
キヤノン |
1.21 |
0.90 |
0.31 |
0.7 |
3 |
9433 |
KDDI |
1.67 |
1.38 |
0.29 |
3.7 |
4 |
9437 |
NTTドコモ |
1.10 |
0.82 |
0.28 |
3.7 |
5 |
1925 |
大和ハウス工業 |
0.68 |
0.51 |
0.18 |
2.2 |
6 |
4523 |
エーザイ |
0.61 |
0.45 |
0.16 |
2.1 |
7 |
4528 |
小野薬品工業 |
0.61 |
0.45 |
0.16 |
8.5 |
8 |
4578 |
大塚ホールディングス |
0.58 |
0.43 |
0.15 |
3.4 |
9 |
8630 |
損保ジャパン日本興亜ホールディングス |
0.51 |
0.38 |
0.13 |
0.7 |
銘柄コード | 4528 | 銘柄名 | 取引 | ||
---|---|---|---|---|---|
ポイント |
大阪市中央区久太郎町に本社がある中堅製薬企業です。がん免疫薬『オプジーボ』が稼ぎ頭となっており、収益が急拡大しています。『オプジーボ』は様々ながんへの効能追加により、中期的な収益源として拡大が期待出来そうです。 |
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日足チャート |
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