JPX日経インデックス400は、年に1回8月に定期入れ替えを行っています。6月末を基準日として、様々なデータを検証し、8月の第5営業日の引け後に入れ替え銘柄を発表し、8月末に実際に銘柄を入れ替えます。
前回の2014年8月の初回の定期入れ替えでは、31銘柄が入れ替えられました。8月末の最終営業日の前日株価で、外れ銘柄と新規銘柄の入れ替えが行われることになります。普通に考えると、外れ銘柄が売られ、新規銘柄が買われるはずですが、表2の外れ31銘柄の株価推移では、興味深い現象となっていました。
入れ替え銘柄発表日である2014/8/7終値と、銘柄入れ替え日である2014/8/29の外れ31銘柄の終値を比較すると、25勝・6敗で、勝率　80.6％と高い勝率だったのです。
その間に日経平均の騰落率は、1.3％でしたが、外れ31銘柄の平均騰落率は4.1％でした。

銘柄入れ替えの基準日は6月末なので、そのデータを使って事前に入れ替え銘柄を想定して、思惑で売買していた投資家などがいた可能性が高そうです。だからこそ、実際に発表された外れ銘柄は、入れ替え日に向けてリバウンドし堅調相場となっていたようです。

外れ31銘柄の入れ替え1ヵ月前の2014/07/28と、入れ替え発表日の2014/08/07の外れ31銘柄の終値を比較すると7勝・24敗で、勝率　22.5％と、大幅な負け越しです。
その間の日経平均株価の騰落率は、−1.9％でしたが、外れ31銘柄の平均騰落率は−4.5％でした。

やはり、事前に想定した外れ候補の銘柄を売却していた投資家がいた可能性が高そうです。

2014年の定期入れ替え時に起こったことが、今年2015年も起こるとは言い切れません。しかし、年金積立金管理運用独立行政法人（GPIF）が2015/07/10に公表した業務概況書によると、GPIFが保有するJPX日経インデックス400に連動する株式資産は、1兆6682億円と前年の約11倍に増加しています。JPX日経インデックス400に連動する資金の総額は、昨年に比較してさらに増加して、約3兆円に迫る勢いとなっています。という事は、外れ銘柄を売却するインパクトも、昨年に比べて格段に大きくなっていると考えられます。

今回も、事前に外れ候補が売られていて、銘柄発表日から実際の銘柄入れ替え日にかけて、リバウンド相場となる可能性が高まったと考えても問題なさそうです。

今回は、2015年の定期銘柄の入れ替え候補として、6月末の基準から考えて、可能性の高そうな20銘柄をピックアップしています。これ以上の銘柄数が定期入れ替えの対象となる可能性が高いのですが、定性基準などもあり、完全に数値基準では銘柄を絞ることが出来ないので、可能性の高そうなこの20銘柄に絞りました。
表3が新規銘柄候補、表4が外れ銘柄候補の一覧表です。

通常は新規銘柄候補からの買い銘柄を探すのですが、既に同じ戦略は先回りされている可能性が高いです。だから、今回は、外れ銘柄候補を活用した「外れが当たり」投資戦略をご紹介しましょう。

「外れが当たり」投資戦略とは、2015/8/7の入れ替え銘柄発表日に向けて売られた銘柄の安値を指値でコツコツ拾い、2015/8/31の銘柄入れ替えまでのリバウンド相場で売却を行います。個別銘柄の価格変動リスクを抑えるためにも出来るだけ、数多くの銘柄をポートフォリオとして保有し、2015/8/31の銘柄入れ替えまでに、全て売却するのが良さそうです。

また、今回はテクニカル分析などによって、現時点でリバウンドが期待出来そうな5銘柄を福の神注目5銘柄として、ご紹介いたします。

また、この20銘柄以外に、入れ替え銘柄発表時に外れ銘柄に選定された銘柄で、直近に大きく売り込まれた銘柄があれば、リバウンド狙いの買いを入れてみるのも、面白そうです。