「新興株ウィークリー」も8月の最終週となりました。例年はスポーツイベントは夏枯れの時期ですが、現在アジア大会がインドネシアのジャカルタで開催されており、今年は楽しむことができました。中でも競泳女子の池江璃花子選手は6つの金メダルを獲得する大活躍でした。まだ18歳の高校生、身長170cmと世界水準からは大柄とは言えませんが、リーチが実に184cmと長いことが身体的なアドバンテージになっているようです。小さいときから雲梯（うんてい）で遊んでいたことが影響しているのではといわれているようです。東京五輪は20歳で迎えます。センターポールにぜひ日の丸を何度も揚げてもらいたいです。

さて今週の「新興株ウィークリー」では、9月に株主優待の権利が確定する銘柄に焦点をあててみました。優待銘柄は権利確定の1ヵ月程度前から物色される傾向にあるように思います。投資家の関心の高い銘柄をご説明する一方、業績や配当についても考慮し、「新興株ウィークリー」特選の「9月優待銘柄」についてもご紹介することにしました。皆さまの投資アイディアのご参考になればと思います。

• ※図1・図2ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

• ※表1・表2はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は8/21（火）終値と8/28（火）終値の比較による。時価総額は7月末基準。

表3は当社WEBサイト上の「国内株式」内に設置されている「株主優待検索」ページから、9月に株主優待の権利が確定する銘柄を「閲覧回数順」にソートし、その回数の多い銘柄について新興市場（東証マザーズおよびJASDAQ）の上場銘柄だけを抜き出して並べたものです。それらの銘柄について株価（8/28現在）と最低投資単位で投資した場合の株主優待内容を記載してあります。なお、最低投資単位で株主優待を実施していない銘柄は掲載していません。

最近、株主優待はそれを享受して生活を楽しむ著名投資家や各種メディアによる紹介もあり、多くの投資家の関心を集めているようです。しかし、「魅力ある株主優待」を考える時、投資家によって「投資余力」も「投資スタンス」も「生活スタイル」も「好み」もそれぞれ異なると思いますので、魅力を感じられる株主優待内容も「人それぞれ」であるのが現実だと思います。だとすれば、様々な投資家が数多く閲覧している銘柄には、それ相応の意味があると考えられます。

経済効率的には、なるべく少ない投資金額で権利を確保でき、優待と配当を合わせた総合利回りが高ければ、満足度は高くなると考えられます。しかし、「魅力ある株主優待」はそれだけでは決まらないとみられます。知名度や業績面で安心感のある銘柄であることや、優待内容がその投資家にとって有用性の高いものであることも重要な要素だと考えられます。例えば表3に掲載された極楽湯ホールディングス（2340）の場合、「無料入浴券」を使い、同社の経営する入浴施設を利用できますが、同社の店舗は中国・四国や甲信越地方等には無いため、それらの地域の投資家には有用性が低下すると考えられます。

9月に株主優待の権利が確定する銘柄は、外食企業やサービス業を含む幅広い業種の銘柄を含んでいます。このため、株主優待の内容としても、それらの企業の店舗等で使える食事券や買物券等も多くなっています。食事券や買物券を利用して株主になった企業の商品やサービスの提供を受けることで、それらの企業をより深く知るチャンスになると思われます。

なお、表3をご参考いただき、9月末に権利が確定する株主優待について検討する時は、おもに以下の４点にご注意ください。

（注1）表3の株主優待の内容は、最低投資金額で得られる権利の概要を示したものですので、詳細や最低投資金額を超えた投資金額での優待内容等については、各社公式サイトでご確認ください。

（注2）株主優待の権利を行使する時に条件や制限がある場合もありますので、ご注意ください。例えばホットマン（3190）、極楽湯ホールディングス（2340）、三洋堂ホールディングス（3058）の場合、1年以上の株式保有が条件ですので、株主優待の権利は1年後からになります。

（注3）表3に掲載した銘柄の権利付最終日はすべて9/25（月）です。権利落ち日以降に買い付けても株主優待の権利は享受できませんのでご注意ください。また、権利付最終日に向けて買い需要が増えやすい反面、権利落ち日以降はそれが剥落し、株価が下がりやすくなる面がありますので併せてご注意ください。

（注4）表3はあくまでも客観的データのご紹介を目的として作成しており、銘柄の推奨を意図していませんので、ご注意ください。

• ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。株主優待の内容は8/20（月）時点。

「株主優待」という制度は、投資の初心者の方が株式投資の魅力に触れるひとつの「入り口」になると思われますが、株価下落というリスクと無縁ではないことを改めて注意する必要があると考えられます。

そこで「新興株ウィークリー」では、9月に株主優待の権利が確定する表3の銘柄を含む新興市場上場銘柄中から、好業績が見込め、配当も期待できるとみられる銘柄を「新興株ウィークリー」特選の「9月優待銘柄」としてご紹介することにしました。スクリーニング条件は以下の通りです。

（1）9月に配当・株主優待の権利が確定する銘柄であること（3月または9月決算銘柄）
（2）9月に第2四半期末または期末配当が予想（会社予想）されている銘柄であること
（3）3月決算ならば第1四半期、9月決算ならば第3四半期までの営業利益実績が前年同期を上回っていること
（4）会社予想の通期営業利益が増益であること

上記のすべての条件を満たす銘柄を、表3の銘柄抽出でも使った「閲覧回数順」に並べたものが表4です。

スクリーニング対象となるのが、3月または9月決算銘柄であり、第1四半期または第3四半期の決算発表が終わった直後のものが多く、いずれにせよ、短期的に業績予想の下方修正が行われる銘柄は少ないと予想されます。

• ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。予想年間一株配当金は会社予想。カネ美食品は今期より2月決算に変更だが、第2四半期は9月決算のため、配当金および株主優待の権利は9月末の株主に属する、また、通期の業績予想は11ヶ月決算となるが、条件を満たすため採用した。なお、8/28（火）に取引が成立しなかった銘柄の株価は直近営業日の終値。

• ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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