皆さん、こんにちは。
トランプ政権の運営に対する懸念から世界経済への影響が出始めています。まずは、イラン核合意から離脱したトランプ政権は、6日に失効したイランへの制裁を7日に一部再発動しました。11月にはイラン産原油取引にも制裁が科される予定となっており、原油供給逼迫懸念から原油先物価格が上昇したことでエネルギー関連株が買われました。次に、米通商代表部(USTR)は7日、中国からの160億ドル相当の輸入品に25%の関税を上乗せする制裁第2弾を今月23日に発動すると発表しました。これに対して、中国政府も同規模の米国製品に報復関税を課す方針を示しました。米中の貿易摩擦が長期化するとの懸念が高まりました。
更にはトルコショックによって世界のマーケットが揺さぶられました。トルコ側が米国人牧師を2016年のクーデター未遂に関与したとして拘束し、両国は高官協議を行いましたが不調に終わりました。これを受けてトランプ大統領は10日、ツイッターに投稿し、トルコに対する鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置について追加関税を2倍に引き上げる方針を表明しました。米国人拘束問題を経済制裁で対抗するという異例の事態となったことで、対米関係の悪化や経済危機への懸念などからトルコの通貨リラが急落しました。トルコリラの急落により急激なインフレ進行などトルコ経済が一層混乱するとの懸念から、トルコ向け債権を抱える欧州の銀行株が売られ、この流れがユーロの急落という形で波及しました。DAXや日経225、NYダウもこの影響を受けて失速しました。懸念されていた日米閣僚級の貿易協議(FFR)の初回会合では、自由貿易協定(FTA)や自動車、農産物などの関税引き上げや市場開放をめぐる協議は折り合いが合わず、結論は9月に予定されている首脳会談も含めた次回会合に持ち越しとなりました。
一方で、貿易摩擦などの懸念はあるものの足元の経済指標は安定した内容となっています。米労働省が発表した7月の卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。最新週の新規失業保険申請件数は市場予想よりも少ない結果となりました。7月の消費者物価指数(CPI)は全体、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数のいずれも前月比で0.2%上昇しました。日本の内閣府が10日に発表した4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で1.9%増加しました。賃上げ効果で消費が持ち直したため、2四半期ぶりのプラス成長となりました。GDPの約6割を占める個人消費が増えたことで7〜9月期以降も賃上げによる消費下支えが期待できるようですが、北半球における猛暑や米国発による貿易摩擦が先行きを不透明にしています。
移動平均線大循環分析で各銘柄のチャートを見ると、NYダウは価格が帯に絡んできていますが第1ステージを維持しています。しかし、日経225やDAXはステージに変化が出てきています。株式市場だけでなく、為替市場や債券市場も動きが出てきていますので、ここからのステージの変化には注意していきましょう。
開設はこちら(無料)
ほぼ即時口座開設が可能
(メンテナンス時間除く)
取引サイトへ
取引時間AM8:30〜翌AM6:00(夏時間AM5:00)日本の祝日も取引可能!
取引口座へ入金(振替)
平日14:30までの振替指示なら
翌営業日の取引開始前に完了!
週間の概況
◆注目イベント
8月15日(水)17:30(英国)7月消費者物価指数
8月15日(水)17:30(英国)7月小売物価指数
8月15日(水)17:30(英国)7月卸売物価指数
8月15日(水)20:00(米国)MBA住宅ローン申請指数
8月15日(水)21:30(米国)7月小売売上高
8月15日(水)21:30(米国)ニューヨーク連銀製造業景気指数
8月15日(水)21:30(米国)4-6月期四半期非農業部門労働生産性・速報値
8月15日(水)21:30(米国)4-6月期四半期単位労働コスト・速報値
8月15日(水)22:15(米国)7月鉱工業生産
8月15日(水)22:15(米国)7月設備稼働率
8月15日(水)23:00(米国)8月NAHB住宅市場指数
8月16日(木)05:00(米国)6月対米証券投資
8月16日(木)08:50(日本)7月貿易統計
8月16日(木)17:30(英国)7月小売売上高指数
8月16日(木)18:00(ユーロ圏)6月貿易収支
8月16日(木)21:30(米国)7月住宅着工件数
8月16日(木)21:30(米国)7月建設許可件数
8月16日(木)21:30(米国)8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
8月16日(木)21:30(米国)新規失業保険申請件数
8月17日(金)17:00(ユーロ圏)6月経常収支
8月17日(金)18:00(ユーロ圏)7月消費者物価指数
8月17日(金)23:00(米国)7月景気先行指数
8月17日(金)23:00(米国)8月ミシガン大学消費者態度指数
8月20日(月)15:00(独国)7月生産者物価指数
8月21日(火)10:30(豪国)豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
※今週は米国の小売売上高やユーロ圏の消費者物価指数の結果に注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
第3ステージ
第3ステージは下降相場の入り口です。帯の傾きが小さくなり間隔が狭くなってきています。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は、中期移動平均線が長期移動平均線を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値23,112円 安値21,677円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
第1ステージ
第1ステージは上昇期です。短期移動平均線が下向きになってきています。
◆今後を読み取る鍵
短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに勢いが出る場合は、更に帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けてきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値25,895ドル 安値24,029ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
先週は「エントリールール2」の概要だけを見ていきました。今週はエントリールールとその内容を確認していきましょう。
【エントリールール2】
◆55日ハイ(High)
過去55日の高値を更新したら買いでエントリー
◆55日ロー(Low)
過去55日の安値を更新したら売りでエントリー
エントリールール1と2の違いはタイムフレームの日数だけです。あくまでもルール1を基本として、PLフィルターでルール1が実行されなかったときに限りルール2を使います。
具体的には、エントリールール1でシグナルがでたものの、PLフィルターで見送ったシグナルが大相場になったときには55日ハイ、55日ローのルールが発動されます。なお、エントリールール2にはPLフィルターは使いません。
【エントリールール2の発動条件】
エントリールール1で出たシグナルがPLフィルターで実行されなかったとき、そのトレンドが大きなトレンドとなり55日ハイ(あるいは55日ロー)を超えたとき
エントリールール1のシグナルが通常通り執行されたときでも、そのトレンドが大きくなれば55日ハイや55日ローを超えてくることはあり得ます。例えば、20日ハイで1ユニットを買いエントリーしたところ、その後も上昇トレンドの勢いが衰えることを知らず、ついには55日ハイを超えるまで上昇を継続したような場合は、新たに買いエントリーはしません。
その理由は、エントリールール1に基づいて買い(売り)エントリーした後、価格がさらに上昇(下落)した場合には、別のルールによってユニットを追加するからです。同一銘柄は4ユニットまで仕掛けられるルール(4ユニット制限)を思い出しましょう。
(ユニットについて、理解していない方や詳細を忘れた方は、2017年6月27日号から2017年11月14日号を参照してください。)
では、来週はチャートを見ながら、より具体的に見ていきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。