皆さん、こんにちは。
主要国の株式市場が活況を呈しています。くりっく株365の4銘柄すべてが、移動平均線大循環分析においてステージ1という安定上昇期になってきていますが、その勢いは止まることなく好調を維持しています。そのけん引役となっているNYダウの上昇の背景には米経済が非常に堅調であることが要因として挙げられます。9月の卸売物価指数(PPI)は季節調整済みで前月比0.4%上昇、エネルギーと食品を除いたコア指数も0.4%上昇しました。新規失業保険申請件数も前週比1万5,000件減の24万3,000件でした。9月の小売売上高は前月比1.6%増加、米ミシガン大学消費者景況感指数は101.1と予想を大きく上回り、米経済の好調を裏付ける結果が続きました。
米連邦準備制度理事会(FRB)が、政策金利の据え置きを決定した9月19日、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表、想定される「年内あと1回」の利上げについては維持されたものの、利上げの決定を左右するインフレ動向に関してはFOMC内で見方が分かれていたことが判明したことで、9月の消費者物価指数(CPI)に注目が集まりました。そのCPIの全体は前月比0.5%上昇、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は0.1%の上昇と、インフレ関連指標が市場予想を下回りました。これを受けて米長期金利が低下し12月の追加利上げ観測が後退したことから株式市場の上昇に拍車が掛りました。ただ、イエレンFRB議長は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で講演を行い、「米経済の力強い拡大は緩やかな利上げを正当化すると引き続き見込んでいる」と語り、12月と予想されている年内あと1回の引き上げに変更はないことを示唆しましたが、市場への影響は限定的のようでした。
株式市場にとっての懸念材料である地政学的リスクは引き続きマーケットの足元をかき乱しています。ただ、10月10日の北朝鮮の朝鮮労働党創建72周年記念日において、ミサイル発射などの挑発行為に出る可能性が警戒されていましたが、特に目立った行動には出ませんでした。スペイン東部のカタルーニャ自治州の独立問題に対する懸念もありましたが、カタルーニャ自治州のプチデモン首相が独立の権利を主張するも、中央政府との協議を可能にするため、正式な独立宣言を延期すると発表したことで、一先ず小康状態となりました。5年に一度開催される今週18日の中国共産党大会における習政権が権力集中をどこまで推し進めるかという点も注目されますが、北朝鮮の軍事行動にも注意が必要です。今後の市場の火種となりそうなのが、先日住民投票で独立賛成多数となった中東地域のイラク北部クルド自治政府と中央政府の対立問題です。軍事行動に発展するリスクが警戒されており、それに反応して原油市場が上昇しています。トランプ大統領は対イラン戦略の詳細を発表し、イランと欧米諸国が2015年、核開発制限の見返りに制裁を解除するとした合意は国益にあっていないとして、圧力を強化する構えを明確にしたことも中東情勢の緊迫が高まる要因となりました。
小売業界最大手の米ウォルマート・ストアーズは投資家向け年次会合で、2019年1月期に米国でのインターネット通販の売り上げが約40%伸びるとの見通しを示し、オールドエコノミーの代表のように見られていましたが、ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムの快進撃に対する健闘ぶりが評価され、これから本格化する米主要企業決算にも期待感が高まっており注目されます。
日経225はアベノミクス相場の高値を更新し、21年ぶりに終値ベースで2万1,000円の大台を更新しました。国内は選挙一色ですが、自公で300議席を伺うとの予想も出ており懸念材料にはなっていないようです。移動平均線大循環分析において、ステージ1は安定上昇期です。ステージ1が続く限り売りで勝負するのではなく、買いスタンスがよいでしょう。
週間の概況
◆注目イベント
10月18日(水)17:30(英国)9月失業者数、9月失業率
10月18日(水)17:30(英国)8月ILO失業率(3カ月)
10月18日(水)21:30(米国)9月住宅着工件数
10月18日(水)21:30(米国)9月建設許可件数
10月19日(木)03:00(米国)米地区連銀経済報告(ベージュブック)
10月19日(木)08:50(日本)9月貿易収支
10月19日(木)09:30(豪国)9月就業者数、9月失業率
10月19日(木)11:00(中国)7-9月期GDP
10月19日(木)11:00(中国)9月鉱工業生産
10月19日(木)11:00(中国)9月小売売上高
10月19日(木)17:30(英国)9月小売売上高
10月19日(木)21:30(米国)新規失業保険申請件数
10月19日(木)21:30(米国)10月フィラデルフィア連銀製造業指数
10月20日(金)15:00(独国)9月生産者物価指数
10月20日(金)17:30(英国)9月財政収支
10月20日(金)23:00(米国)9月中古住宅販売件数
10月23日(月)23:00(ユーロ圏)10月消費者信頼感
10月24日(火)16:30(独国)10月製造業PMI
10月24日(火)16:30(独国)10月サービス業PMI
10月24日(火)17:00(ユーロ圏)10月サービス業PMI
10月24日(火)17:30(ユーロ圏)10月製造業PMI
※今週は10月19日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)に注目が集まります。中国のGDPの発表にも注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージは安定上昇期です。帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が続いています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ1は安定上昇期です。帯と短期移動平均線の関係を見ていきましょう。
・上昇トレンドに勢いが出る場合は、更に帯が傾きを持ち間隔が広がってきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値21,361円 安値19,153円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が続いています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ1は安定上昇期です。帯と短期移動平均線の関係を見ていきましょう。
・上昇トレンドに勢いが出る場合は、更に帯が傾きを持ち間隔が広がってきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値23,115ドル 安値21,606ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
先週はタートルズ流資金管理を学びました。今週は、小次郎講師流の適切な最大取引量を学んでいきましょう。
まずは、先週のタートルズ流の適切な最大取引量は下記の通りでした。
◆適切な最大取引量
- ①同一銘柄は4ユニットまで
- ②相関関係の高い銘柄は6ユニットまで
- ③相関関係がある銘柄は10ユニットまで
- ④買いなら買い、売りなら売りで12ユニットまで
では、小次郎講師流の適切な最大取引量はどうかというと基本的には下記のようになります。
◆適切な最大取引量
- ①同一銘柄は3ユニットまで
- ②相関関係の高い銘柄は2銘柄6ユニットまで
- ③買いのみ、売りのみは6ユニットまで
例えば、日経225がチャンスだと判断して1ユニット買い建てたのちに、チャンス継続と考え追加の建玉をする場合は最大3ユニットを上限にします。ただし、それは利益が乗っていることが条件で、利益が乗っていない場合は同一銘柄の追加はしません。そして、3ユニットに達したら、その後、いくら良い買いチャンスが訪れたとしても追加の建玉をしてはいけません。自分でどれほど「確実」だと思っても相場は逆方向に動く可能性があります。そうなってしまった場合、3ユニットすべてが「日経225の下落」という同一の条件で損失リスクを被る事実を忘れてはいけません。
銘柄分散する場合に注意しなければならないのは、銘柄同士の相関関係です。高い相関関係にある銘柄を複数取引しても分散効果は得られません。
相関関係が高いとは、銘柄Aの価格が上昇した時には銘柄Bも同じように上昇し、銘柄Aが下落した時は銘柄Bも同じように下落する関係を言います。
では、来週はその相関関係の高いペアを使って具体的なユニットの組み方を見ていきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。