皆さん、こんにちは。
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は講演会を行い、「現状の政策金利の水準での据え置きが短期的には適切だ」と発言し、「失業率が一段と低下してもインフレへの影響は限られそうだ」との認識を示しました。米連邦準備制度理事会(FRB)は当面、金利を据え置きに出来るとの「ハト派」的な発言をしました。
米労働省は6月の米求人離職統計(JOLT)を発表しました。求人件数は前月比46万1000件増となり、統計開始以来で史上最多の水準を記録しました。
米紙ワシントン・ポストが、北朝鮮は核弾頭をミサイルへの搭載が可能な水準まで小型化することに成功したとの報道があり、トランプ大統領は北朝鮮が米国を脅すなら「火力と怒りに直面する」と警告しました。
北朝鮮は米国の警告に対して、米領グアム島周辺に中距離弾道ミサイル攻撃を行う作戦を検討中と表明しました。トランプ大統領は米国の核戦力を誇りつつも「今後決して使わずに済むよう望む」とツイッターに投稿し、ティラーソン米国務長官も差し迫った脅威は無いとの認識を示しました。
ところが北朝鮮軍が具体的な地名を出したことやトランプ大統領が、改めて北朝鮮の挑発行為を強くけん制したために、米朝の激しい舌戦となり地政学的リスクの高まりからNYダウが大幅下落となりました。また、リスク回避の動きから通貨では円が買われ、コモディティではゴールドが買われました。
7月の米卸売物価指数(PPI)が発表されました。全体も、エネルギーと食品を除いたコア指数ともに前月比0.1%の低下となり市場予想を下回りました。7月の消費者物価指数(CPI)は、全体もコア指数も0.1%増となり市場予想の0.2%増を下回りました。
市場で注目されているインフレ指標が弱かったことで、年内の米追加利上げ観測が後退したことでドル売り円買いが優勢となりました。
投資家の不安心理の指標となるシカゴ・オプション取引所の恐怖指数(VIX)が株式市場の下落に伴い急騰しています。VIXの急変動はマーケットに対する警鐘となることがあります。移動平均線大循環分析で現状のステージを確認して、ここからの動きには慎重に対応していきましょう。
週間の概況
◆注目イベント
8月16日(水)(17:30)(英国)6月ILO失業率
8月16日(水)(17:30)(英国)7月雇用統計
8月16日(水)(18:00)(ユーロ圏)4-6月期GDP・改定値
8月16日(水)(21:30)(米国)7月住宅着工件数
8月16日(水)(21:30)(米国)7月建設許可件数
8月17日(木)(03:00)(米国)FOMC議事録
8月17日(木)(08:50)(日本)7月貿易収支
8月17日(木)(10:30)(豪国)7月雇用統計
8月17日(木)(18:00)(ユーロ圏)7月消費者物価指数(HICP)・確報値
8月17日(木)(18:00)(ユーロ圏)6月貿易収支・季調前
8月17日(木)(21:30)(米国)8月フィラデルフィア連銀製造業指数
8月17日(木)(21:30)(米国)新規失業保険申請件数
8月17日(木)(22:15)(米国)7月鉱工業生産
8月17日(木)(22:15)(米国)7月設備稼働率
8月18日(金)(23:00)(米国)8月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値
8月22日(火)(18:00)(ユーロ圏)8月ZEW景気期待指数
8月22日(火)(22:00)(米国)6月住宅価格指数
8月22日(火)(23:00)(米国)8月リッチモンド連銀製造業指数
※今週は8月17日のFOMC議事録に注目です。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。8月16日のユーロ圏GDP・改定値にも注目しましょう。
チャート分析による銘柄診断
日経225分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ4
ステージ4は下降期です。中期移動平均線が長期移動平均線を下抜けてきました。
◆今後を読み取る鍵
ステージ4は下降期になります。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・帯に傾きが出て間隔が広がってくれば下降トレンドの勢いが出てきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値19,844円 安値18,202円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。
NYダウ分析
※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。
◆現在のステージ
ステージ1
ステージ1は安定上昇期です。短期移動平均線が下向きとなってきています。
◆今後を読み取る鍵
ステージ1の安定上昇期です。短期移動平均線と帯の関係を見ていきましょう。
・帯に傾きが出て間隔が広がってくれば上昇トレンドの勢いが更に出てきます。
・下降トレンドに移行する場合は短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。
◆重要な価格
高値22,193ドル 安値21,199ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。
小次郎講師のVトレーダー養成講座
先週はATRには(1)単純平均(SMA)、(2)修正移動平均(MMA)、(3)指数平滑移動平均(EMA)の3通りの方法があることを紹介し、単純平均、修正移動平均を見てきました。
今週は、指数平滑移動平均線を見ていきましょう。
指数平滑移動平均は次の計算式で求めていきます。
当日のATR=(前日のATR×19+当日のTR×2)÷21
修正移動平均の計算式(当日のATR=(前日のATR×19+当日のTR)÷20)と比べると微妙な違いが分かるはずです。
修正移動平均も指数平滑移動平均も直近のデータに、より比重を置くという考え方は共通しています。しかし、指数平滑移動平均は修正移動平均に比べて、直近のデータの比重をより大きくしているのです。指数平滑移動平均の計算式にある(当日のTR×2)がそれに当たります。
なぜそのようになったのでしょう。最新の価格は常に過去の影響を受けて形成されますが、20日前の価格と前日の価格では、最新の価格に影響をより強く及ぼすでしょうか。その答えが計算式に表れています。時間が経てば経つほど、遠い過去の価格の影響力は低下するという考え方が根本にあります。
ここで指数平滑移動平均の計算式に戻ります。最初のATRを算出するときには、前日のATRがありません。その場合は単純平均で20日TRの平均値を算出し、翌日からはその値を前日のATRとして扱うのです。
例えば、最初の20TRの平均が100円だったとします。そして、翌日のTRが150円だったとすると、その日のATRは次のように計算します。
ATR=(100円×19+150円×2)÷21
=2,200円÷21
=104.8円
これで、皆さんもATRについて理解ができるようになったことでしょう。それぞれの銘柄について平均的値動きが幾らか計算できるようになったことで、具体的な数字で答えられるようになりました。
では、来週は実際のデータを使ってATRを計算し、より深く確りと理解できるようにしていきましょう。
移動平均線大循環分析の見方(簡易版)
移動平均線大循環分析とは?
3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。
<移動平均線大循環分析>
ステージとは?
3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。
売買チャンス
ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。
帯
移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。
帯による分析
帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。
- ※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。